そのねこがうたうとき

物語偏愛者の詭弁と戯言

CHAIN THE BLOSSOMというナナシスの1つの到達点

3rd LIVEの日程が発表されたときは早いなと思ったんですよ。2ndから1年ないので。曲数とか大丈夫なのかなって。おまけにその後もThe QUEEN of PURPLEのデビューに始まり、777とミニユニットには結局ほとんど曲が行き渡らず、ライブ直前に発売された『ハルカゼ』だけが777の新曲だったので、いいのかなこれで、というのは、事前の心構えとしてあったんですけど。

振り返るに、ナナシスは茂木総監督が何度も「誰かの背中を押す」というテーマを口にしていて、今回の3rd LIVEでやりたかったのはそれだったんだろうなぁと。777が滅びたはずの「アイドル」をイチから始めて、それに感化されるように様々なユニットが様々な曲を出し、活動を広げていく。そして777の歌がデビューから3年後にあたる、2037年に届いているということが示されたのが『ハルカゼ』のMVだったわけで。彼女たちの歌自体というよりは、それが「届いた先」を見せたかったというのが今回のテーマだったのかなぁと思うのです。今回は「トリロジーの集大成である」とも茂木は言っていたので、1つの到達点を描いたんだろうなと。

『ハルカゼ』、今回の山場の1つになることは事前に予想できてはいたけれど、それにしても桜を降らせながらの演出はよかった。自分はまだ1年しかナナシスを知らないけど、ZEPPから追ってきた人たちにとっては、幕張メッセで桜の舞う、あの時が本当に「到達点」のように思えて感無量だったのだろうと、ちょっと傍観者目線にもなってしまったり。

4U

あまり声優のライブには行かないので、一般的にどうなのかがわからないんだけど、ナナシスのライブで面白いなと思うのは、実際に動くキャラクターたちを初めて「見られる」のがライブの場だということ。

例えば『ラブライブ!』シリーズは、アニメーションMVと同じ振り付けでライブをやりますというのが売りでもあるくらいで、2次元の再現としての3次元という側面があるんだけど、ナナシスはその元になる2次元がないんですよね。アニメーションが(今のところ、ほとんど)ない。キャラクターの立ち絵とCDだけ。だからそのキャラクターがどんな表情で、どんな動きで歌っているのかを僕らは知らなくて、あるいは想像の中だけでイメージを持っていて、初めてその姿を目にするのがライブの場である、と。

だから面白かったのが、ゲームでは特に意識していなかったキャラクターが、「動いている」のを見たことで好きになる、という体験ができたこと。それが自分にとっては4U、さらに言えば鰐淵エモコで。エモコって基本は毒舌キャラで、ライブのMCでもウメちゃんいじりまくりのいつもの調子なんだけど、いざ演奏に入るとベースを弾く様がそもそもカッコイイのと、コーラスとかしながらわずかな笑みを見せる、あれがたまらなくて。あ、エモコじゃん。エモコってマジでこういう感じなんだ。口では色々言うけど、楽器はガチで上手くて、結局は4Uであることを楽しんでいるこの感じ。うわめっちゃかっこええ、と。

んでもって今回の4Uステージも最高でしたね。MC始まるなりペラペラ饒舌に毒舌を吐き始めて、相変わらずウメちゃんと口喧嘩するエモコ。ヒナに「それじゃ自己紹介になってないよー」とたしなめられて、「鰐淵エモコです。これでいいですか」とさらりと言ってのけるエモコ。でも『Hello…my friend』ではウメちゃんとガッツリ向き合ってベースを弾き、ハモるエモコ。トリトリではヒナがAパートのソロを務めるサプライズの脇で、むっちゃ前かがみで男前にベースを弾くエモコ。『Lucky☆Lucky』が終わった後、突如「まだまだいくよー!」と再び後奏を弾き始めるウメちゃんに、「やれやれ」感出しながらも満更でもなさそうに付き合うエモコとヒナ。最高でした。最高でした。。

ところで今回はバンドスタイルが重なるThe QUEEEN of PURPLEがデビューだったわけですが、4Uの直後にぶつけてきたのが面白かったですね。バンドスタイルである点は同じだけど、楽しくポップである4Uと、ハードなQoPの対比がとても際立っていた。E.MURASAKI演じる野村麻衣子は初のライブだったという話なのに、そうは思えない声の伸びっぷりでした。

ナナシスはきっとこれからである

2nd LIVEは頑張ってあの枠に全曲詰め込もうとしたのだろうなと感じられるところがあって、MCや曲の繋ぎ方がちょっと忙しないなと思ったりもしたのだけど、今回はMCもゆったりしていて、曲のアレンジや特殊演出も多くて楽しかったです。1回のライブには詰めきれないほどに曲が飽和してきた。ユニットも増えてきた。そうなると、どの曲やユニットを選んで、どうセトリを組んでどう魅せるかという広がりが出てくる。ライブの演出の妙というのが出てくるのは、きっとこれからなんだろうなと思う。

それを意識してなのかどうなのか、まさかの4U単独ライブが開かれると。持ち歌だけじゃ回しきれないから、他のユニットの曲歌ったりするのかなぁ。何にせよ、あの3人の掛け合いと演奏だけをずっと見ていられるというのは楽しみ。そんで武道館ですね。いつかは行けるだろうと思ったけど案外早かった。ミクさんがそこに到達したのは8周年の時だったからなぁとか比較にならん比較をしてしまいました。

1つの到達点だったのは間違いないけれど、だからこそここからまた、新しく始まっていくんだろうということを予感させてくれる、そんなライブでした。