ウェブを教える存在は、ウェブであるべき

うごメモがはてなを崩壊させる - 一詩人の最初の歌

前回のちょっとした補足です。てか、いきなり正月から50ブクマ超えはビビるよ。

僕は今20歳ですが、ネットを始めてすでに10年近くなるので、同年代の中では結構ディープなネットユーザーになります。きっかけは親が早い時期にPCを買ったということと、それを使うことを僕に勧めてくれたということ。小5ぐらいでもうウェブサイトを作ったり、メールで連絡を取り合ったりしていました。

幼い子どもにわざわざ勧めてくるぐらいですから、うちの親は比較的ITリテラシーが高い人間です。僕がいざネットを始めようというときにも、基本的な知識や心構えを教えてくれました。ネットは全世界につながったものであるということ、掲示板に書き込むときのマナー、2chに行ってはいけない(笑)*1、アダルトサイトや変な広告をクリックするな……などなど。お陰様で高3になるまで「2chは危ないとこ!」と思ってて、覗いてみたことがありませんでした。

最近の子どもを見ていて思うのは、誰に教わることなく、誰に与えられることがなくても、自分からネットの中に入っていけてしまうということです。僕が小さい頃は、与えられなければネットに入ることはできませんでした。ネットに入れる子どもは特別な存在だったんです。しかし、今ならDSという、本来なら玩具*2であるものでネットに入れる。10年前の「腕時計」ぐらいの感覚でケータイがある。ネットへの入口があちこちに転がっているんです。

本当なら親(でなくてもいいんですけど)に最低限のリテラシーやネチケットを教わってからネットに足を踏み入れるべきでしょう。今のネットは、お世辞にも子どもにとって安全な場所とは言えませんから。でも、ここまで入口が多いとなると、そのすべてを監視することはどうも難しそうです。機械的なフィルタリングの効果にも疑問はありますし、リテラシーの教化となるとまた別の問題になります。おまけに今の保護者層の中には、他人に教えられるほどネットの知識がない人も少なからず見受けられる。

ならば、やはり低年齢層向けのウェブサービスが受け皿になるべきだと思うんです。うごメモはそのうちの一つですよね。はてなが本当に門戸を広げて、「誰でも使える、誰でも知ってるウェブサービスを作りたい」というなら、それこそ「教化」というのは必要になってくると思います。

例として挙げると、僕が初めて使ったウェブサービスは、「マグネット」*3というコミュニティサービスでした。サンリオキャラを随所に用いるなど、明らかに低年齢層でも入れることを前提にしたサービスでしたが、中にちゃんと「ネチケットを守ろう」というページが設けられていたのを記憶しています。もう死語みたいになってる「ネチケット」ですけど、これを見えるところに掲げるのは必要なことなんじゃないでしょうか。ウェブが子どもを招き入れたいなら、自らウェブを教えるべきです。

余談:スターについて

前回のエントリーで「スターを集める行為は問題じゃない」としましたが、強いていうなら「既存はてなスターとは別の評価システムを導入すべき」と思っています。

はてなスターの増加数が楽しいことになっている - つれずれなるままに…

このエントリーで見られる通り、うごメモ導入から明らかにスターが乱用されています。これはどうなんでしょう。まァはてなスターのシステムが案外丈夫なようで、これだけスターが爆発的に増えても重くなったりしていないからいいんですけどね。

ただ目くじらを立てるとしたら、スターの存在意義がブれてます。本来はてなスターは、ユーザーがワンクリックで評価を示すことができるというものでした。でもうごメモでは「☆くれたら続き書きます」とか「○○と思ったら☆ちょうだい!」みたいに一種のコミュニケーションツールと化しています。DS上でコメントが見れないのなら、彼らが別の形でコミュニケーションを求めるのは当然のこと。そこで思いついたのがスターだったんでしょう。

このように別の用途で使われ始めた以上、うごメモでのスターと既存はてなスターは別のものとすべきかと思います。例えば「数種類の顔アイコンをつけられる、はてなフェイス」とかどうでしょう。今みたいな一辺倒ではないコミュニケーションが可能になるし、喜ばれるかなーなんて思うんですが。

*1:当時は確かに今より危なかったし、そもそも子どものいくところではない。

*2:DSをただの玩具とするかは議論の分かれるところでしょうけど。

*3:[wikipedia:マグネット]を参照。07年に閉鎖。