そのねこがうたうとき

物語偏愛者の詭弁と戯言

だって、音楽があるじゃないか

パソコンルームで友人と作業しているとき、ちょっと休憩がてら、ニコニコ動画でおススメの曲を教えてもらう機会があった。中学か高校あたりでは、オリジナルMDを交換したりして「おススメの曲を教える/教わる」こともあったけど、大学にもなれば各自音楽の好みができあがっていて、それぞれ好き勝手なものを聴いてる*1。だからなんというか、実に新鮮な機会だった。そして幸運なことに、教えてもらった曲は驚くぐらい僕の好みにぴったりで、というよりどうも自分が意外にメタル系が好きだったことに気付いて、久しぶりに「未知なる素晴らしい音楽*2」に出会った気分だった。友人は、いかにも「たまらない」と言った表情で、その曲について語ってくれた。

そして、自分が音楽に対して貪欲な態度を忘れていたことに気付いた。言うまでもないことだけど、この世には僕が知らない音楽の方が多い。僕がこの21年ちょっとで貪ってきた曲なんて大した量じゃなくて、それを遥かに上回るほどの音楽がこの世界には満ち溢れていて、そしてその中にはきっと、僕が大好きになれるような音楽だってたくさんある。自分に合った音楽に出会えることは幸せなことだ。だけど、待っていても音楽が勝手に歩いてきてくれるはずはない。音楽が好きなら、本当に音楽を求めたいなら、こちらから貪欲に聴きまくっていかなきゃいけない。最近どうも、そういうことをしていなかったなァと思い至った。決まったところを巡回してボカロ曲を漁るばかりだった。

こと音楽に関して、何かを悲観する必要なんてないんだろうと思う。よく耳にするのが、「最近の○○というバンドは落ち目だ」なんていう言葉。よくわかるし、自分も以前そういう言葉を吐いていたことがあったけど、それは単にそのバンドが作り出す音が変わってしまって、自分の好みから外れただけで、「落ちた」とは言えないんだろうと思う。自分も演奏者だったからわかるけど、どんな音楽を生み出すかは、年齢で、環境で、あるいは本のささいな日々の感情の揺れ動きで、糸も簡単に変わってしまう。何年もバンド活動を続けていて、音が変わらない方が不自然だとすら思う。変わってしまったなら、なぜ変わったのか考えてみるといい。その音楽への理解が増して、もっと楽しく聴けるようになると思う。あるいは本当にもうそのバンドが聴けないというなら、他のバンドを聴くようになればいい。誰が愚痴を吐こうと、そのバンドはきっと音を作り続けるだろうから。愚痴や能書きはいらない。僕たちは楽しむために音を生み、音を聴くのだから。そしてあなたが笑顔になれる音は、必ず世界中のどこかに転がっているのだから。

僕は演奏者になれなかった、あるいはなることをやめてしまった人間だ。だから本当のところ、演奏者の気持ちなんてのはわからないかもしれない。彼らからしたら、好き勝手に音楽を消費されるなんて耐えられないことなのかもしれない。でも、音楽に正解なんてなくて、今の自分が好きな音楽より、もっと好きになれる音楽がどこかにあるかもしれないと思ったら居ても立ってもいられなくなって、だから一つの音に満足することなく、生きている限り僕は新たなる音楽を求め続けていくと思う。なぜかって、だってまだまだ世界には、音楽があるじゃないか。これからもずっと、追いつけないくらいたくさんの音楽が生まれていくじゃないか。そう考えたとき、音楽を好きで良かったと、常に希望を持っていられると、心の底からそう思える。


ちなみに友人から聴かせてもらった音楽だけど、デンカレは素晴らしいと思います。エロゲーは世界を救うぜ!*3

*1:それこそヒットチャートなんかにも影響されず。意外にオリコンの影響力って、現代においては相当薄れてるんじゃないかと思う。

*2:「曲」ではなく「音楽」。「曲」なら最近でも出会いを果たしている。

*3:一応断っておくが、プレイはしたことない。