Perfumeは実在する*1。実在する彼女らは、アイドルという仮想的な物語を演じる。僕はPerfumeについては詳しくないので、それが中田ヤスタカの思惑なのかどうなのかとかはわからないけど、とにかく生身の彼女ら自らが「アイドル」を演じている。
天海春香*2は実在しない。しかし、彼女はアイドルである。実在しない彼女は、IDOLM＠STERというゲームの中で「アイドル」としての物語を演じている。仮想の存在が仮想の存在を演じているという点で、彼女はPerfumeとは異なる。また同時に同じゲームの中で、彼女は「我々」に素顔も見せている。これもまたPerfumeとは違う点*3。
初音ミクは実在しない。そして彼女もまたアイドルだが、彼女は「アイドル」を演じていない。彼女がアイドルである根本的な理由は、おそらくこのページ中ほどの青い文字だけだ。ミクはアイドルという設定を付与されただけで、自ら「アイドル」としての物語を演じていない。そこがPerfumeとも、天海春香とも根本的に異なる点。彼女にアイドルとしての物語を持たせるのは、他ならぬ僕たちだ。言うなればアイドル「初音ミク」は、僕らが演じている。彼女が持つのは、容姿と、本のちょっとのプロフィールと、歌声だけだ。
ていうのが僕の考え方で、それ故Perfumeとミクを類似した存在とは見れないんだよなー。
