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そのねこがうたうとき

物語偏愛者の詭弁と戯言

選挙ってさ、難しくね?

その他

21歳の僕にとって、今回の衆院選が生涯初めて選挙権を行使する機会になった。今回の選挙、初めてにして図らずも「政権交代」という非常に重苦しいものが懸かってしまったので、軽い気持ちで一票を投じたくはなかった。そこで最初から入れる気のない一部政党*1を除き、すべての政党のマニフェストを熟読した上で期日前投票に臨ませてもらった。

ただ、夏休みという暇を活用しても、「マニフェストを読んで投票先を決める」という行動は極めて難しいものだった。これは僕の知的レベルが低い故なのか、選挙の経験がない故なのか、マニフェストの書き方に欠陥があるのか、具体的なところはよくわからない。だが仮にすべての国民が毎回選挙の度にこういうことをしているとしたら、それは非常に尊敬に値することだと思った。「マニフェスト選挙」は実に難しいものだった。

マニフェストの実現可能性は考慮すべきか

そもそもマニフェストを鵜呑みにしていいものなのだろうか。マニフェストはあくまで、「現時点でやる予定の政策」を選挙用にまとめただけの代物だ。そう、あくまで「現時点で」なのであって、それが1年後、2年後に気が変わってしまっている可能性だってある。あるいは民主党が散々批判されていたように、「財源はどこにあるのか?」といった現実的問題、官僚や野党との協議がどのように進むかという問題もある。

すべてが「実現可能」と仮定してしまうなら話は早いのだが、おそらくそうはいかないだろう。さまざまなファクターを考慮しながら、「本当にこのマニフェストは実現されるのか?」を検討しなくてはならないはずなのだ。しかし、財源問題なんて、経済的知識がある程度なければ判断できない。政局なんて読めない。実現可能性は結局のところ、見えてこない。

二次情報の氾濫

マニフェスト選挙とはいうものの、マニフェスト以外の二次的な政策、政党情報はこの世の中腐るほど存在している。マスコミもそうだし、ブログ、2ch、ブコメなどなど、政策の是非などについて述べた言論は至るところで目にするから、それらを無視するというのもなかなか難しい。

二次情報の中にはある程度の「論拠」「ソース」というものを提示しているものもあるので、ときにマニフェスト以上に信頼のおける情報として見てしまうことがある。というより、自分だけでマニフェストの是非を判断するのが難しいから、他の人の判断に頼ろうとしてしまうのだ。「自分で考えろ」とはいうが、なかなか自分一人だけで決断を下せる人もいないんじゃないだろうか。

小選挙区と比例区の整合性

面倒くさいことに、今の日本の選挙制度は「小選挙区比例代表並立制」だ。つまり、二回投票しなくてはならないわけであって。これがまた面倒というか、何より小選挙区の方に手こずった。

比例代表は楽なのだ。マニフェストを読んだ結果、どの政党を支持するか決めてしまえば、その政党の名前を書くだけで済む。しかし、小選挙区の場合、自分の選挙区に支持政党が候補者を擁立していない可能性がある。また仮に擁立していたとしても、「政党」は支持するが「候補者」は支持できない場合もある。実際、今回僕の選挙区には、僕の支持政党の候補者は擁立されていたのだが、僕は彼(彼女)の掲げる路線が好きになれなかった。おかげで仕方なく対立政党の候補に票を入れざるを得なくなってしまった。まァ幸福もいたんだけど、入れたくなかったので。

自分の幸せか、他人の幸せか、みんなの幸せか

日本はそれなりに福祉政策が充実した国だと思っている。福祉政策とは多かれ少なかれ、財の再配分としての側面を持っているので、ときにそれは自分が損をする可能性を孕んでいる。今回の民主党が掲げていた、「子ども手当て」や「高速道路無料化」がそれだろう。しばらく結婚する予定がなく、ドライブもそんなに好きではない僕は、これらの政策の恩恵をあまり得られない立場だ*2

だが、自分がちょっと我慢すれば、生活がかなり改善される人がどこかにいるのかもしれない。一つの政策が他の分野へ社会的に影響していくことによって、回りまわって自分も恩恵を得られるのかもしれない。政策とは一面的に評価しづらい面があって難しい。「最大多数の最大幸福」を望むのならば、ある程度不利益な政策さえも許容しなければならないのかもしれない。

それでも一票を投じてきた

結局政党選択には丸2日かけた。いくつもマニフェストを読んでいるうちにどこも同じに見えてきたのだが、なんとか頑張った。そして非常に疲れた。こんなことを毎回やられるのなら、確かにマスコミ報道の印象だけで一票を投じる人がいてもおかしくないと感じた。またそういう人を容易には責められないとも思った。それはある意味自然なことだと思うし、すぐに「衆愚」へ直結するわけでもないと考えている。

それでも一票は投じた。マニフェストを読み、ブログを読み、ボートマッチを複数行った上で、初めての投票に行ってきた。これだけ選ぶのが難しかったんだ、ひょっとしたら自分の選択は間違っていたのかもしれない。だけど自分自身で出した結論なのだから、それを表明することで責任は取りたかった。これまで政治は外観するのみだったが、これが政治参加というものなのかと、今回初めて身に染みて感じることができた。

*1:ネタ晴らしをすれば幸福、社民。

*2:少なくとも直接的には。