そのねこがうたうとき

物語偏愛者の詭弁と戯言

就活でやることなんて、たったの3つしかない

受験や就活を終えた人って体験記をよく書きますよね。でもそれって成功体験じゃんと。成功して浮かれたとこで書いた「体験記」なんてロクなもんじゃないんじゃないのなどと思うのですよ。たかが1年経験しただけで、したり顔で就活はこうだとか語りやがってコノ野郎!みたいなね。勝手にお前の経験を一般化すんなみたいな。

でも、「お前の経験」一つだけじゃ一般化は確かにできないけど、「お前らの経験」がたくさん集まれば、就活攻略への糸口みたいなのが見えてくる、かもしれないのです。これからも就活生は毎年生まれます。彼らは先人の教えを請うわけですが、そのときにより多くの「教え」を聞けた方が、彼らのためになるでしょう。というわけで、僕も体験記的なものを書きたいと思います。どちらかというと、抽象的なアドバイス集になりそうですが。

手段を探す前に目的を明確化すべき

就活と言われて、まず何を思い浮かべるでしょう。リクナビ? インターン? ノートの会? まァいろいろあるでしょうが、でもこれらはすべて「手段」です。いきなりマニュアル本を買ったところで、それは手段でしかないんです。手段とは目的があって初めて成立するもの。そう、順序が逆です。まず就活の目的を定め、それに見合った手段を探す。これです。

じゃあ就活の目的ってなんでしょうか。内定をもらうこと。それはもちろんですが、もっと言えば「向こう数十年の人生のベクトルを決めること」。さらに具体的に言えば、(1)向こう数十年の人生のスタートとして相応しいと思う企業を探し(=企業・業界研究)、(2)その企業に見合った「自分像」を構成して(=自己分析)、(3)それを明瞭に企業側に伝えること(=ES・面接)になると思います。3つだけです。たぶん、ここを明確化して臨まないと、どんな「手段」を使ったところで無駄に終わる。

ちなみに、世間的には自己分析→企業研究という順序みたいですが、個人的には逆だろうと思ってます*1。まずはとにかくあらゆる企業や業界を探し、選択肢の幅を広げる。その中で自分を見つめつつ、マッチしそうな企業を探す。はじめから自己分析なんてことをして、自分という人間を小さく規定してしまうと、すごく窮屈な就活をすることになると思います。自己分析して、「できることもやりたいこともない!」なんて悩むぐらいなら、「やりたいこと」になりうる選択肢を増やす方向で動いた方がいい。世の中、知ってる職業より知らない職業の方が遥かに多いのです。

自己分析なんてするヒマがあったらブログを書いたらいい

自己分析ってのもよくわかんないです。いや、ある程度はした方がいいですよ。自分にどういう向き不向きがあって、何をやりたいと考えてるか?とか、もちろん知ってないと就活できなくなっちゃうので。でも「自己分析しよう!」とガッシと構えて2週間も3週間も机に向かうってのはなんか違うと思うんです。そんな複雑な過程で導かれた「自己」なんざ結局自己じゃねーよという気が。長々と自己分析をするくらいなら、大学入学からずっとブログでも書いてればいいと思うんです。2年も3年もやってれば、自ずと自分の考えてることってのがエントリー履歴からわかってきます。もちろん、そのためには思考・考察系のエントリーをいくつか上げてないとダメですけどね。あとESを書くにあたって、長文を書く訓練にもなるので是非。

やりたいことがわかんないよって人は自分が何をできるか探せばいい。でも中にはできることもわかんないよって人もいて、そういう人は最低限「できないこと」だけは把握すべきです。「できないこと」を職業にしてしまうと悲惨なのは目に見えているでしょう。僕は体育会系のノリは絶対無理なので、テレビや広告なんかは最初から選択肢にありませんでした。まずは「できないこと」から逃げること。最低限これだけは確保すべき。

そして自分の「強み」が知りたいならこんな本はいかがでしょうか? ギャラップ社のストレングスファインダーテストを受けることができますよ*2

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす
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面接官とは対等に

僕自身、就活に乗り気ではありませんでした。「自分たちで主体的に企業を選ぶんだ!」といっても、そのレールはリクルートやら何やらによって綿密にひかれているわけですし、結局これって企業に踊らされてるだけだよなーという思いがあったのです。でもやらなきゃおまんま食いっぱぐれるので就活はしましたけどね。

昨今ネットからかなりの量の情報が手に入るので、就活に対して斜にかまえちゃったり、企業や面接官に対して疑心暗鬼になる人も多いと思うんです。あるいは、とりあえずヘコヘコして内定だけ手に入れればいいやとか、祈られたらどうしよう?圧迫面接だったらどうしよう?社会人って怖いよなーなどと過度に恐れたりとか、いろんな就活生がいるはず。

でも、あまり考えこまずに対等なコミュニケーションを取るよう心がけるのが一番だと感じました。相手も人間です。神様じゃないです。ひょっとしたらこの面接を最後に、二度と会わないかもしれない人です。そんな人相手にヘコヘコすることも、おどおどすることもないでしょう? 言いたいことは言って、わかんない質問には正直に「不勉強ですみません」と言うなり、あるいはアドリブを働かせるなり。それでダメだったらダメだったで、御縁がなかった以外の何物でもないです。僕は一度、面接で「うちは第一志望なの?」と聞かれ、正直に「第一志望『群』として考えています」と答えたことがありますが、その面接官の方は「そうだよねぇ、一社になんて決められないよね。逆にそういうの胡散臭いしねぇ」と笑って流してくれました。就活やってみてよかったなーと、ちょっとだけ思えた瞬間です。

就活は成長の場ではないよ

就活を成長と結びつける言説って少なくないですが、たかが半年程度で人間って成長するのかな?ってのが素朴な疑問です。というか成長って目的ではなく結果?*3 「成長したいぜ!」って言って就活するって、ちょっと不純かなーなどと、ひねくれものの僕は思うのです*4

そじゃなくて、AからA++を目指すような作業じゃなくて、AからBに自分を切り替えるのが就活だと思うんです。要は、今までの人生から視点を広げて、社会とか職業とかっていう広い文脈のなかで自分を再定義する作業が就活ではないかと。それまで大学やサークルとか言う狭い範囲の中でしか発揮していなかった自分の個性が、新しい文脈ではどう活かしていけるのか発見していく作業が必要だと思うのです。それが上手くいって、ちょっとした運もあれば内定に至る、はずです。

僕の好きなマンガで「それでも町は廻っている」ってのがあるんですが、その中で主人公・歩鳥の台詞に、こんなのがあります。

卒業って何かと思ってたけど、校内が社会全体っていう錯覚から卒業するんだ(第5巻 第36話「卒業式」)

言い換えるなら、「就活とは学校生活が社会全体っていう錯覚から卒業する」こと。だから外に出て行かなくてはなりません。少なくとも、部屋の中でPCだけいじってては「卒業」できないのは目に見えています。OBに会ってみるなり、まぁそれがめんどいなら説明会のときにちょっと社員の人に話を聞いてみるなり。これまで戦ってきたのとは違うフィールドへ出て行くわけですから、目線も変えていかなきゃダメなのですよ。簡単なことではないですけど、その意識だけは持っているべきだと思います。

*1:というかそもそも、こんなプロットに当てはめて就活する必要すらないんですけど。

*2:本の中に一度しか使えないストレングスファインダーテストのIDが記載されています。なので中古ではなく新品を買いましょう。

*3:細かい点では成長もするでしょうけど。電話応対とか、ネクタイ結ぶのが上手くなるとかね。

*4:みんな一斉に就活するんだったら、その中でより成長を実感できるよう頑張った方が得だ、という考え方もありかとは思うんですがね。