400字で「自分」に関する質問への答えをストックしておく―フェーズ別就活体験記

就活のフェーズごとにいろいろと。

インターンシップ

これねー、「インターン」って言葉で全部まとめるのは詐欺じゃないかなと思うんですよね。ものによっては3時間程度で簡単な仕事のシミュレーションゲームをしておしまい。長いのだと3ヶ月とか掛けてじっくりプロジェクトに取り組むようなのもあります。給与も出たり出なかったり。インターンが直接内定コースになっている会社もあれば、内定出てから「そういえばインターンって参加されました?」なんて聞かれる会社もあるし。

長期のものをやるなら、業界研究や仕事の内実を知る場!って考えるより、「働くとはどういうことか」を知る目的で行った方がいいかと思います。まぁとはいえ、社会人並みのハードワークはできないでしょうけどね。短期(1日〜3日程度)は「説明会に毛の生えたもの」程度の認識でいいと思います。

合同説明会

ウェブでは「無駄無駄無駄無駄無駄無駄!」と言われる豪雪こと合同説明会ですが、一度は行ってみてもいいものです。言うほど無駄にはなりませんよ。一日かけてつらつら周ってれば、思いがけない企業と邂逅を果たせていい経験になりました。そりゃ確かに一度の説明は20分程度しかありませんが、なにより「知らない企業に出会える」点がよかったです。情報目当てで行くと損をした気分になる。なにしろ疲れますし。

あと、つい○○ナビとかのでっかい豪雪に惑わされがちですが、業界限定や理系限定の中規模のものもちょくちょく開かれています。例えばITなら就活typeとかはいかがでしょう。

自己分析

前のエントリも参照。僕がやったのはブログ書くこととストレングス・ファインダー、あとは後述するESやOB訪問を通してです。

自己分析と名づけると大層なものに見えますけど、要は「面接で聞かれるであろうことの答えのセットを自分の過去から引っ張り出しておく」ことなのかなーと理解しました。自己PR、これまで頑張ったこと、辛かったこと、リーダー経験、長所などなど、面接の頻出事項ってのはかなり固まってるので、予め準備することができるわけです。また準備していない質問でも、大体は自分の「過去」から答えを見つけてくることになるので、「過去」を整理しておくとすごく役に立ちます。

面接で聞かれそうなことやESの質問事項はググれば山ほど出てくるので、それに応える形で「過去」をエピソードにまとめていくうちに分析終了でした。つくったエピソードを一字一句覚えなくとも、まとめるだけで頭の中すっきりしましたよ。その中でなんとなく、「自分ってこういう人間なんだー」ってのは見えてきた……かな。

業界分析

説明会に行き、ウェブサイトをなめるように全部見て、パンフレットを漁って……ぐらいですかね。特に意識したのは「求める人物像」「職種紹介」「キャリアパス」辺り。この辺を見ておくと自分が先十年ぐらいでどういう社会人生活を送れるのか、なんとなくイメージできてきます。で、それを面接で聞かれますので。

力を入れてる企業だとOB訪問してみたり、アニュアルレポートや社内報なんか手に入れば良い材料になります。あとは日経コンピュータなどの業界誌。立ち読みを習慣にして、志望企業が載ってる号だけ買うとかおススメ。

個別説明会

これはもう行かざるを得ないというか。中には説明会出席しなきゃ選考進めないよってところもありますからね……。最近は予約ボタンの早押し競争になってる側面もかなりありますが、やむを得ないのでみなさん早押ししましょう。

行く前にはウェブサイトをさっと見ておくといいですよ。説明会とはいえ濃い話はほとんどしないこともあるので、ウェブで予習しとけば「この話はもう知ってるなー」って感じで適度に力が抜けます。印象的な言葉やエピソードと、それを語った社員さんの名前はチェック。面接で使えますので。

ES(エントリーシート

ITを中心に受けたため、手書きは1枚しかしてないですサーセン。周囲の友人の話を聞くと、手書きは本当に大変みたいです。3月頃になると、ゆうゆう窓口*1のある東京中心部の郵便局は、夜中に就活生が詰め掛けてその場でES書いてたりするらしい……gkbr。ESは〆切に余裕をもって書くべきです、絶対。自己分析の項でも軽く触れましたが、「自己PRを400字で」みたいな超頻出問題は、予め答えを書いちゃってメモ帳にでも保存しとけばいいのです。ストック大切。で、前述したようにこのストック作業が自己分析そのものだったりするんですよ。何度も何度も「自分」に関する質問に答え、そしてそれをストックするうちに、無意識のうちに自己分析が進んでいきます。就活で何が一番身になったかって、このESを書く作業(と準備)でしたよ。面接でもESと似たようなことを聞かれますから、「ストック」は絶対に活きてきます。

テクニック的な部分だと、400字程度の「濃厚な」文章を書けるように訓練しましょうね。僕は新聞部で文章書いてた経験とかが結構活きました。ES対策本なんぞに頼るより、こういう本↓でしっかりロジカルかつ贅肉のない文章を書けるようにしておくと、後々役に立つと思います。

理科系の作文技術 (中公新書 (624))
木下 是雄
中央公論新社
売り上げランキング: 620

OBOG訪問

最近は個人情報保護の観点から、大学で卒業者名簿を閲覧できなかったり、会社側もOB訪問を斡旋してくれなかったり、なかなか面倒な状況にあります。その中でなんとかコネを手繰ったり、偶然社会人の方と会える機会があれば時間を取ってもらったりして、4人程度から話を聞きました。説明会に行ったりパンフを見たりしても、結局は学生という枠の中からの判断しかできないので、実際に社会人の方と話すことはとても参考になりました。

最も濃い話をできたのが、ESを見てもらったときです。ESには僕の経歴やら考え方やらがたっぷり書かれてるので、OBの方も話を掘り起こしやすかったみたいです。ESに書いたことを基軸にして、僕のやりたいことや想定キャリアパスについて根掘り葉掘りされました。問答を繰り返すうちに「自分ってこんなこと考えてたのか」と初めて気付くこともあり、良い自己分析になりましたね。

GD(グループディスカッション)

あまり受けていません。嫌いだったなー……ほとんど発言できなかったし、発言しても取り上げられないことがしばしばだったし。僕はわりとツッコミ派なので、「あれ?でもここ変じゃね?」的な提案を好んでいたのですが、こういう議論の流れをぶった切るような行為はGDには相応しくないみたいですね。なにしろ時間制限があるし、「とかく迅速な合意形成を」って部分に意識が行きがちです。議論じゃないの、意見擦り合わせの場なの。

世間的には「まずリーダーとタイムキーパーを決めましょう」とかなんとかセオリーがあるようですが、リーダーはまだしもタイムキーパーは要らねーよって感じでしたね。大体GD会場には大きな時計がありますし、否が応にもみんな時計見ちゃいますから。最初に時間配分だけみんなで決めとけば、「タイムキーパー」なんて役職は不要でした。むしろ発表者を先に決めるべきです。あれが一番モメます。

面接

慣れです。いや、本当に。最初のうちはgkgkbrbrでしたが、「あー面接官だって人間だし、別に上から目線で来るわけじゃないんだし、対等な目線で正直に話してればいいんだ」と気付いてからは楽になりました。中には圧迫とかもあるみたいですけどね*2。質問もほぼパターン化してるので、ESのストックやらからポンポン答えを引き出せばおkでした。もちろんトリッキーな質問もありますよ。でも別に即答する必要はないんだし、落ち着いて、考えながら話せば大丈夫。

形態はいろいろありますが、個人面接が僕は一番好きでした。グループはどうも、他の人の答えが聞こえちゃうのがイヤでしたね……。他の人が答えてる間を待っているのもイヤだし。中には7人同時面接(!)なんてとんでもないのもありましたが。個人面接は完全に自分のペースで話ができるわけで、一番気が楽でした。

まとめ

就活始める前は「就活よくわかんねーなかったりなー」と思ってて、終わった今も「よくわかんねーな」のままです。たぶんみんなそうです。就活って「内々定」なんて言葉からしてすごく危うい前提に立ってますし、よくわからんもんなんですよ元来。就活ガンバって、一回り大きな人間になるぞ☆みたいなマッチョ思想はどうにも持てませんでした。こんなひねくれたまま職に就いていいのかなー……まぁいいか。

ってわけで、「就活ってなんなんだよ!」と自暴自棄になったとしても、「仕方ねーや」と思っておいてください。考えすぎは禁物です。ただ、面接官も人事の方も、良い人がいっぱいいますよ。あまり疑心暗鬼になって、やたらと大人を怖がらないでください。たくさんの人に会って、いっぱい話をする機会ってのは、なかなかどうして楽しいものなのです。

*1:24時間受け付けてくれている郵便局の窓口。

*2:ただ友人の話とか聞いてると、ちょっと突っ込んだ質問をされただけで「圧迫だ!」と感じちゃうような人はいるみたいです。そういうときに思考を止めないことが大切だと思うんですがね。