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そのねこがうたうとき

物語偏愛者の詭弁と戯言

「合唱」を扱ったサブカル作品が最近増えているけど、合唱ブームはきっと来ない

サブカル 音楽・VOCALOID

元合唱部の私ですが、見事にホイホイされてTARI TARI見ました。1話目はいろんなところで言われているけど、「あれ? 花咲くいろはって続編は映画じゃなかったっけ? テレビでやることにしたの?」という印象。相変わらずぶっ飛んだ設定のキャラクターばっかりやなぁというか、キャラ見ているだけでなんとなく今後の展開が読めて来てしまうのが残念だなぁという感じが。まぁ、継続視聴しますけども。合唱描写に関しては、まだ主人公達が唄ってないので何とも言えず。途中でちらりと流れた「声楽部」の歌声は本気合唱だったけどね。

最近TARI TARIに限らず、合唱を扱ったサブカル作品をチラホラと耳にする。春クールでは、フジテレビで『カエルの王女様』という合唱ドラマをやっていた。合唱というか、『glee』みたいなショークワイアに近かったみたいだけど。僕は1話だけしか見ていないんで何とも言えませんが、劇中歌はiTunesで売っている(リンク先iTunes注意)ので、試聴すればなんとなく雰囲気はわかるかも。

あと、去年は中田永一の『くちびるに歌を』という小説が結構売れたようで。僕も読みましたけど、中学生の青春風味だばばばばーって感じで、読んでいて(良い意味で)むずがゆくなりました。ちょっとドラマとしては出来すぎだろおいっていう感がありましたが。合唱描写としては、2008年のNコン(アンジェラ・アキの『手紙』が課題曲だったとき)を下地としていて、ラストシーンの合唱描写は「ああ、そうそうステージに立つってそういう感じだよね!」という共感を得られるようなものでした。乙一氏って合唱経験者なんだろうか? ただ、これも「合唱小説」というよりは「合唱をテーマとした青春小説」という形なので、あまり合唱描写に過度な期待は禁物です。ちなみに僕は、Nコン課題曲だと森山直太朗の『虹』がめちゃめちゃ大好きです。

で、まぁ何が言いたいのかと言うと、これだけ合唱作品が出てきても、結局どれも合唱は物語を彩るパーツの一つに過ぎないってこと。なので、そろそろ合唱描写を前面に押し出したような合唱作品来いよー!と言いたい。例えば三味線漫画の『ましろのおと』が僕は好きなんですけど、あれぐらい音を感じさせるパワーを持った作品がほしい。『ましろのおと』はやべーです。紙から音が聴こえてくる。羅川氏の描写力って『しゃにむにGO!』の頃からすさまじい勢いがあって、この人少年漫画でもやっていけるんじゃねーの?と思わせるレベルでしたが、本当に少年漫画描いてもうたね。音を描く、表現する、音と真摯に向き合う、そういう合唱作品があればなーって、元合唱部員としては思ってしまうのです。

ちなみに過去の合唱作品ですと、かなりベタですが『オトノハコ』という漫画が好きです。合唱人なら思わず読んでてニヤニヤしてくること請け合い。本当に丁寧に「音」に向き合っているなぁと思える漫画。全1巻ですので是非に。

あと、TARI TARIが『けいおん!』のようにブームを引き連れてくれるか?ですが、多分ないだろうなぁと思ってます。いや、他の部活動がどうなのかは知りませんが、合唱って地味なんですよね……マジで。本来なら深夜アニメのテーマには相応しくないぐらいに、地味。ていうか地味にキツイ。意外に筋トレとか走りこみとか汗だくの練習とか、やってますからね。バスケ部が汗だくなのは絵になるしきっとモテるんでしょうけど、合唱やっててもモテねぇしなぁ……。あ、カラオケは上手くなったけど。それに合唱って一人で出来ませんしね。大の大人が「けいおん!観て楽器買ったぜ!」ってのは一人でも全然イケると思いますけど、「TARI TARI観て合唱やりたくなったけど俺ぼっちだから無理だったぜい!」ってのは、あまりに悲しすぎますね。あと極めつけに、音楽アニメだと春の『坂道のアポロン』がすごすぎた……。あれを越える演奏シーンはきっと拝めまい…………。

それでも、ちょっとぐらい視聴者が音楽に興味を持ってくれたらいいのかなぁとは思いますが。

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