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そのねこがうたうとき

物語偏愛者の詭弁と戯言

【ネタバレ有り】『パシフィック・リム』がアメリカで作られたという意味

話題の『パシフィック・リム』観てきた。なんというか、全部理解した。うん、これは……いいものだわ。最高だわ。なぜアメリカがこれを作れるんだよ。

内容についてはもうひと通り話されきってると思うのだが、ホントなんでこれをアメリカの人が作れるんだっていう印象が大きかった。およそ巨大ロボ作品において、我々が「お約束」と考えるものはほとんど入っていた気がする。パイロットの多大な負荷、暴走、大気圏突破、超高度からの落下、自爆、そしてロケットパーンチ!! 俺は字幕で見たからエルボーなんたらって技名だったんだけど、あれ吹き替え版だと「ロケットパンチ」に変更されてるのね。さすがだわ。やっぱり吹き替えで観るべきだったなー……っと、話が逸れた。話の流れも実に王道で。司令官が実はかつてのパイロットとか、胡散臭い感じの科学者が最後に活躍したりとか、始めは受け入れられなかった主人公が見事な初陣を飾って仲間入りを果たすだとか、もう本当見事なまでのお約束の詰め合わせ。でも、それがいいというか、それでこそいいんだよなこの映画は。

俺たち誰もが知っている巨大ロボVS巨大怪獣というテーマが、全力で映画化されたからこそ熱い。変に脚本を捻ったり、ロボットを超最先端な感じのめちゃくちゃカッコイイ感じにしたりしたらダメで、「みんなが知っているけど見たことない」からこそ、パシフィック・リムは最高に面白い。ちょっとダサくていいし、あっと驚くような展開もなくっていい(怪獣がいきなり空飛んだりとか、驚くようなシーンはたくさんあったけれども)。僕らが知っている共通言語だけで紡がれて、それでいて考えうる最高峰のものを見せてくれた、そんな映画だったかと。

日本でなんでこれが作れないんだ!って声をTwitterでチラチラ見かけたけど、まぁ昨今のアニメ実写化作品見た感じ無理じゃないかなー。だって日本ってなぜかやたらスタイリッシュにしちゃうんだもの。ガッチャマンもキャプテン・ハーロックもそうだし、るろ剣CASSHERNもそうだけど、なんか妙にシュッとしてシリアスな空気醸しててカッコイイ感じにすることが多い。でもそれって原作知っている人から見たら「こんなんじゃないよ!」感満載だし、元ネタとのギャップが妙に「シュールな笑い」をもたらしてくれちゃったりする。なんでああいう改変がウケると思うのか常々疑問なんだけど、カッコイイとはどういうことなのか、よくわかってないんじゃないのかなー。実写テニプリみたいな突き抜け方は絶対必要だと思うんだけど。まぁこれは多分、「日本人がパシフィック・リムを作れない理由」の一端でしかなくて、他にもいろいろあるとは思うが。

パシフィック・リム』が最高なのは、はるばる海の向こうから、俺達の知っている文化を決して壊すことなく再現してきてくれたからなのだ。その情熱には敬意を表す他にない。