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そのねこがうたうとき

物語偏愛者の詭弁と戯言

改めて BUMP feat. MIKU 見直して泣いた話でもします?

昨年のBUMP OF CHICKENツアー『WILLPOLIS』の東京ドーム公演で『ray』が披露され、初音ミクが共演したことはもはや周知の事実であるし、自分もNHKバンプ特番でその様子は何度も見ていたんだけど、先週発売されたBlu-rayで観直していたらなんだかよくわからないうちにボロッボロ泣いてしまったんでその話でもしますね。うん、自分でもさすがにちょっとびっくりした。『インターステラ―』とかでも全然泣かなかったんだけどね。

ミクさんがステージに上がるなんてことは今や全然珍しいことではなくて、というかオペラにまで出てるしオーケストラとの共演も果たしているわけなんだけど、今回何が違うかっていうと、他人のステージに招かれたという点が大きく違うわけで。自分も先週、他所のオーケストラのコンサートに、合唱団コラボレーションの一員としてステージに立たせてもらう経験をしたんだけど、立ち位置としてはそれと同じ。要するにお客さんが見に来ているのはBUMPだったりオーケストラだったりがメインなわけで、初音ミクや合唱はそこではあくまでサブなのです。もっと言えば、我々は最初からステージに乗ると告知していたんだけど、ミクさんに至ってはサプライズだった。ひょっとしたら「ミクなんか出るなら嫌だな、観たくなかった」っていう人もいたかもしれない。てか『ray』のiTunesでのレビューを見るとわかるんだけど、そういう層はまぁ、いる。それがBUMPファンじゃなく単なるやっかみという線もあるが。そういう状態での、ステージ。

自分はもちろん「ミクさんが出ている」という前提があってこのディスクは買った。でも自分は元々世代が世代なので、BUMP OF CHICKENが中学生の頃に存在していてくれたことには心の底から感謝しているし、彼らのライブにも一度行ってるぐらいには好きです。だからいざ見始めるとやっぱり「BUMPのライブ」としていつの間にか頭も心も出来上がっていて、セトリもちゃんと見ずに見てたから「次は何の曲だろう?」というのを本当にワクワクしながら見てた。最近の曲はちょっとわかんなかったりしながらも。だからミクさん、というかrayのあのイントロがかかったときには思わず、わかってたはずなのに驚いてしまって、前々から知っていた自分がこれだと、当日のお客さんの驚き方ってのはどうだったんだろうなと思う。そう、紛れも無くこれはBUMPのライブなのだ。NHKの番組では単発の曲の繋ぎ合わせの上、ドキュメンタリー仕立てだったから「くるぞーくるぞー」って感じでミクさんがワッと出てきたけど、実際当日の登場はMCもなく、本当に唐突である。BUMP OF CHICKENのライブのセンターに、突如初音ミクは現れる。

そしてまた当日のセトリが、rayの前が『(please)forgive』、『宇宙飛行士への手紙』といった形で静かな曲が続くのだ。特にray直前の『銀河鉄道』に至っちゃカップリング曲で。内容も誰もがそれぞれに人生を生きてるよね的な(適当)、聴かせる曲なのですよ。そこに、あの空から降ってくるようなギターのイントロがかぶさってきて。ふわっとステージ全体が明るくなるんですよね、rayがかかると。映像に映る客席のテンションも如実に上がってるのがわかって。そこに初音ミク。思うんだけど、ray冒頭のキュキュっとかかるあの電子音、あれってやっぱミクさんの音だよなって思う。あれがかかってミクさんがパッと現れた瞬間の驚きと感動がなんとも言えぬ。

本当に楽しそうなんです、このステージ。みんなで手を振りながら、チャマが飛び跳ねながら、会場全体がキラッキラしていて。1コーラス目、藤原が後ろを指差しながらススッと脇に引いて、ミクさんのパートが始まると、会場から拍手が起こったりして。わからないよ、実際は。ひょっとしたら「えーなんだよこれー」って心の底では思ってた人も、いたのかもしれない。というか戸惑いがなかったはずがない。それほどまでにミクは世間に受け入れられてはいない。でも、それでも見る限りにおいてドームはちゃんと温まっていて、中盤最も盛り上がっていたその曲の真ん中にミクさんがいて、一緒にライブを作り上げたという点は間違いなくて。あのPVが出てから、幾重にも重ねられた賛否両論のその先に出た結論があのステージだったと思うと、その様を見ていると、もうどうしようもなく泣けてしまう。デレマス3話見てても思ったけど、アイドルってこういう風に楽しむものなんですね。なるほどね、と思った。脇目もふらずスターダムへ駆け上がっていく彼女たちを見守ることに喜びを見出すのだね。そういうものなのだね。

特にこの公演で好きなのは、Cメロの藤原とミクが交互に歌うところで、藤原が「おーわーかれしーたことーは?」って促すようにミクさんへバトンを渡すところです。ああ、一緒に歌ってるんだなと、単なる添え物ではなくて共演者なのだなと、この瞬間に改めて確認できる。そういうステージを作れるBUMPには頭が下がるし、コラボする相手が彼らで本当に良かったなって、そう思えるステージなんですよ、これは。