アニメ

『プロメア』 - 2クールアニメを2時間に濃縮したような熱気と狂気

最初に書いておきますが、ネタバレはしないですけどある程度作品の構成などに言及はするので、鑑賞前に一切何も知りたくない場合には読まないことを推奨します。 見終わって映画館を1歩出たときに、満面の笑みで頭空っぽにして「楽しかった〜〜〜〜〜」と身…

2019年4月 - きのう何食べた? / キャロル&チューズデイ / Roid -ロイド- 他

今期は『キルラキル』と『けいおん!』の再放送があり、渡辺信一郎監督作品があり、幾原邦彦監督作品があり、というところで4枠も埋まってしまったので以上です、ありがとうございました、という気分です。この2監督の新作が見られて、再放送とはいえ TRIGGE…

2019年1月 - ゾンビランドサガ / トクサツガガガ / 七花少女 他

ゾンビランドサガ C95 で、壁際ではない中の方のお誕生日席なのに行列ができていて通れないという経験を3回ぐらいして、なんだろうと見てみたらどれもゾンビランドサガだった、という経験をした。ヴィンランドサガじゃないんかい、っていうツッコミ待ちとし…

『SSSS.GRIDMAN』 - 君を退屈から救いに来たんだ

以前に書いた通り、 自分は電光超人グリッドマンをリアルタイムでは見ていなかった んだけど、それでも楽しめる作品だったというか、グリッドマンに限らず、かつて特撮ヒーローに憧れて、日常が塗り変わる光景を夢描いたすべての人たちに送られるような、そ…

『ANEMONE』 - エウレカセブンとは何だったのか

映画 『ANEMONE/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』 本予告60秒 重かった。当初、正直期待は半々だった。『ハイエボリューション 1』がほぼほぼ単なる総集編であり、ハイエボという作品でやろうとしていることが見えなかったことによる不安。一…

2018年10月 - 文字渦 / SSSS.GRIDMAN / 九月の夜の鯨 他

円城塔『文字渦』 文字渦作者: 円城塔出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2018/07/31メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る 円城塔による悪ふざけと言ってしまうと軽いが、ここまで徹底した悪ふざけもそうそうないし、突き詰められた遊びというも…

内藤泰弘『血界戦線』 - Hello, world !

今更ながら、アニメ『血界戦線』第1期を Amazon Prime ビデオで見終えた。春ぐらいからチビチビと、チビチビと、終わらせたくない思いで少しずつ楽しんでいたけど、ようやく見終えた。これはここ数年で最高のアニメだった。自分にとって。 自分の好きな作品…

仲谷鳰『やがて君になる』 - 恋と理屈

恋は心でするだとか本能でするだとか、とかく考えても頭でどうしようかと思い描いてもその通りにはならないものであり、ままならないから恋なのだというのはよく言う話ではある。もうすぐ『とらドラ!』の Complete Blu-ray BOX が出るわけだけど、あのアニ…

アニメ『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』 - キラめきの在り処

スタァライト、されちゃいました。 キービジュアルを見て、何か惹かれるものがある作品だなと思っていた。聴けば監督は古川知宏で、ということは幾原邦彦の系譜なわけで、言われてみれば騎士風の衣装に剣を持った少女たち、意味がわかるようでわからないよう…

映画『ペンギン・ハイウェイ』 - 世の果てへの旅

映画『ペンギン・ハイウェイ』 予告2 石田祐康監督とスタジオコロリドが手がける初の長編タイトルが『ペンギン・ハイウェイ』になったと知ったときは、これほどまでにマッチする組み合わせがあったものだろうかと、快哉を叫びたい気分だった。石田監督がこれ…

2018年7月 - ナナシス武道館ライブ / メイドインアビス / 自宅でFUJI ROCK 他

Tokyo 7th シスターズ メモリアルライブ『Melody in the Pocket』 武道館を出たぐらいのとき、わちゃわちゃとした人の群れの中から「ナナシスはアニメをやっていないのに、これほどの物語性を持って、エモいライブを作れるというのはすごい」というような話…

細田守『未来のミライ』 - 親のいない場所で子どもが成長すること

「未来のミライ」予告 あまり見るつもりがなかったものの、冒頭に流れる予告編の中で『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の特報がゲリラ的に公開されていると聞き、急遽見てきた。急遽というのは本当に急遽で、たまたま映画館の近くにいたとはいえ、エヴァの情…

『ニンジャ・バットマン』と『天の光はすべて星』から見る中島かずき

『ニンジャバットマン』本編冒頭映像 特に意識していなかったのだけど、中島かずきフィーバーがなんとなく自分の中で起きている。日曜に中島が脚本を書いている映画『ニンジャ・バットマン』を見て、月曜には中島が解説を寄せているフレデリック・ブラウン『…

『HUGっと!プリキュア』- 誰だってヒーローになれる

【ニュース】『HUGっと!プリキュア』第20話よりあらすじ・先行場面カットが到着!キュアマシェリ&キュアアムールの変身シーンに注目! #precure #プリキュア https://t.co/RLprr4xO8r pic.twitter.com/Mg8iEbd6Wt— アニメイトタイムズ公式 (@animatetimes)…

『リズと青い鳥』 - TVアニメの豪華版ではない、映画として完成されたアニメーション

『リズと青い鳥』ロングPV たまこラブストーリーのときも、京アニが作る映画やべーなと思ったけど、本作は確実にそれを越えてきたし、京アニの映画はもはやアニメ映画を語る上で、いや映画そのものを語る上でも外すことができなくなってきているように感じる…

『宇宙よりも遠い場所』 - まっすぐに進むための物語

なんだか粒揃いだった2018年1月期のアニメのなかで、『宇宙よりも遠い場所』がここまで自分にとって重要な作品になるとは思っていなかったし、世間的にこれほどの評価を受けるというのも予想外だった。そしてそれは嬉しい予想外だった。とても良い作品に出会…

『ゆるキャン△』 - ゆるく楽しむ、ゆるくつながる

決まったやり方なんてなくて、自分のやり方で楽しんでいいんだよ、という良い意味でのゆるさが心地良い作品だった。 そもそもにしてメインキャラクターたちが1つのクラスタというわけではないのが結構新鮮。主人公のなでしこは野クル=野外活動サークルとい…

MMD杯で、あり得たかもしれない「けもフレ2期」に思いを馳せる

けものフレンズのアニメ2期を巡る一連の騒動、結局確定的な情報がぜんぜん出てこないので誰を責めるとかそういう気持ちにはなれないんだけど、しかしアレだけもてはやされた「奇跡」と「優しさ」の結末がこれかーーーっていうのは、もうどうにも悔しくて悲し…

『ダーリン・イン・ザ・フランキス』 - 期待通り過ぎるTRIGGERのロボットアニメ

TVアニメ「ダーリン・イン・ザ・フランキス」ティザーPV 好きなアニメーターを挙げると、庵野秀明、鶴巻和哉、錦織敦史、今石洋之、吉成曜、馬越嘉彦、田中将賀と言ったところで、まぁ見事にとある方向に傾いているわけなのだけど、そんな自分から見て『ダー…

コミックマーケット93 - 逸見エリカの救済を求めて

年明けてから何も書いてないけど、あんまり観たり読んだりしたものもないのでコミケのことを書く。なんだかこの有明の空と海を見ないと年を越せない感覚がある。自分が行ったのは2日目で快晴だったけど、3日目はホワイトコミケだったんだっけ? 元々二次創作…

アニメ『少女終末旅行』 - 絶望と仲良くなった先のセカイと日常

今年は1クールあたり1つか2つ完走しているという程度にしかアニメ見れていなくて、今期はそれが『少女終末旅行』だったのだけど、これ本当に見ておいてよかったと思える素晴らしい最終回だった。こんな名作になると思わなかった。 原作は1巻だけ読んでいると…

『ガールズ&パンツァー 最終章 第1話』 - 進化と回帰を兼ね揃えた快作

公開から1週間経ったし、ブログ内に留めておく分には良いだろうということでネタバレ感想。当然のようにシネマシティで1日2回見るなどしてきた。色紙はこちら。 評価としては表題に書いた通り、もうそれだけなんだけど、期待に対して100点満点の回答を真正面…

『新海誠展』 - 喪失を抱えて、なお生きろと声が聞こえた

新海誠展「ほしのこえ」から「君の名は。」まではてなブックマーク- 新海誠展「ほしのこえ」から「君の名は。」まで いわゆる「メジャーになったアーティストに対して、『メジャーデビュー前はよかった』と回想する行為」はあまり行儀が良いとは思わないのだ…

OVA『クビキリサイクル』完結に寄せて

「完結に寄せて」と書いてはいるが、すでに完結から1か月近く経ってしまった。もともと遅筆なのと、最近はスプラトゥーン2に驚くほど可処分時間が吸われるので、趣味がどうにもおざなりになっている。そういえばダンケルク以来今日まで映画も見ていなかった…

『リトルウィッチアカデミア』憧れとの決別

『リトルウィッチアカデミア』を最終回まで見ました。 TVアニメ『リトルウィッチアカデミア』第25話「言の葉の樹」予告 率直に言うと最も印象的だったのは、最終回というよりその1つ前の第24話『アルクトゥルスの森』でした。2013年のアニメミライ版から、ず…

『けものフレンズ』と大冒険した話

「ようこそジャパリパークへ(仮歌)」オーイシマサヨシ 乗れるムーブメントには乗っといた方が楽しいというのはこの数年の経験から明らかだったので、「すごーい!」「たのしーい!」というミームが跋扈し始めていたあの時期、すぐにプライムビデオで『けも…

映画『虐殺器官』におけるゼロ年代の呪縛

「虐殺器官」新PV 伊藤計劃処女作がProject Itoh最後の公開となったのはなんともはやというところだが、無事に公開されただけでも良かったとは思う。もちろん、欲を言えば『ハーモニー』の前に公開してほしかった。 『屍者の帝国』を公開初日に見たものの、…

傷物語 冷血編 ―― 阿良々木暦と「上位の存在」

傷物語やっと完結。いやーーーーーー、羽川に始まり羽川に終わったって感じでとてもよかったんじゃーーーーないでーーーしょうかーーーー。いやーーー、映画館であんな悶えたの初めてだわ、勘弁しろよ。。。 なにはともあれ、ねぇ。あのーー、今月の日経エン…

立川上映最終日に書く、「ガルパンはいいぞ」

オールナイト 流行り物ばかりを追いかけてワイワイする気はないし、コンテンツに消費期限があるなんてこともさらさら思ってはいないわけですが、それにしたって今このタイミングで「ガルパンにハマる」というのはさすがにどうなんだという気がしないでもない…

有頂天家族2期決定に思う、作品世界の力強さと底力

「有頂天家族」アニメ続編決定!森見登美彦「暴れん坊な原作者をお許しください」 - コミックナタリーはてなブックマーク- 「有頂天家族」アニメ続編決定!森見登美彦「暴れん坊な原作者をお許しください」 - コミックナタリー やっほー超朗報ー!と喜び、自…