音楽業界が惨状と化して、困るのは誰なんだ

だった : 音楽業界の惨状

何か言いたいなと思って立ち上げたけど、別に音楽のトレンドは追っていないので何も書けないことに気付いたw CDが売れなくなったって話は昔からあるけど、これは「最近は懐メロばかり」という話なので、要するに媒体を問わず音楽業界そのものが衰退しているって話らしい。残念ながら一般市場で流通している音楽は椎名林檎様ぐらいしか聴かないので、本当に質が落ちたのかは判断しかねるのだが。ま、僕のような存在が音楽業界をある意味で衰退させているのかもしれない。

音楽は誰もが好む趣味ではない

なんというか、音楽を買っていた人自体は昔から少なかったんじゃないかって思う。そりゃCDは100万単位でボンボン売れる時代があったわけだが、アレは音楽を買っていたんじゃなくて、そこへの付帯価値を買っていたんだよなーと思うばかり。

カラオケもそう。バンド自体のファンであることもそう。そもそも「流行っている」ということが付帯価値だ。流行の音楽を聴いていることは、たぶん流行の服を着ていることに等しかったんじゃないかと思う。それがいかなる曲であろうと、どうでも良かったという人はいたんじゃないかな。あるいは「良い曲」の基準自体が一般化している。勿論、本人はそうは思っていないだろうけど。

だからって、90年代とかに良質な音楽がなかったわけでもないとも思う。地力でちゃんと売っている音楽は当然ながら多かっただろう。僕はあの頃だとミスチルの『深海』が大好きで、今でもたまに聴いている。この1枚を超える「アルバム」はなかなか出ないだろうとも思っている。ただ、あれは何故あそこまで売れたのか腑に落ちないのだけど。流行、ってことなのか、暗くてドロドロの音楽聴けてる俺カコイイだったのか……。

まァそんなわけで、音楽自体を純粋に好む人間って、実はそれほど多くないんじゃないかなって思う。僕は大げさに言えば呼吸するように音を摂取していたいんだが、そんな人はたぶんいないでしょ。音楽番組がやたら持てはやされるし、極めて大きな市場を持っているから「誰もが嗜むもの」みたいに誤解されやすいけど、真の意味で好きな音楽を探す人は少ないんだと思う。だから良曲は埋もれる。あっても本当に求める人が少ないから。てかこれって、「有名になるとはバカに見つかること」というヤツかもしれない。

最近の音楽を悪く言うことは好まない

あと、売れてないからって最近の音楽をそう簡単に揶揄しようという気にはなれない。まァ全力でdisりたくなるような、商業主義バリバリの音楽だってそりゃあるんだけど。

「恋愛の曲ばっかだよな、相変わらず」と言っても、一方でそういうのを好む人だっている。「耳に残らないよねー」と言っても、どこかにその音楽が大好きだ!って人もいるかもしれない。音楽ってのは芸術で、表現なわけだから、その評価は個々の感受性に任せられるわけで、一概に「悪い」とか「酷い」とは言えないと思う。ブログと違って、「間違った」音楽なんてのはどこにもない。

だから別に、最近の音楽業界が「酷い有様だぜw」なんて言う気もない。何十万って人が聴かなくなったって、それでも歌う人は必ず後から後から出てくるし、音楽そのものが滅びるわけではない。ヒットチャートに好きな曲がない? じゃあ別のを聴けばいいじゃないか。それで音楽を聴くことに支障が出るわけではないよ。困るのは業界の人だけだよ。

ただ、「隠れた名曲」というものに、上手いこと金が流れる仕組みはできないものかなーと、それだけはちょっと嘆いている。もちろん金を稼げることだけが音楽の良さを示すわけではないけど、今資本主義のラインに音楽が乗ってしまっている以上、稼がなきゃ新たな音楽は生めないんだよね。音楽をどうにか資本主義の流れから引っ張り出せないものかと、常々思う。だから僕は、ボカロを聴くのかなー。

三文ゴシップ
三文ゴシップ
posted with amazlet at 09.05.22
椎名林檎
EMIミュージックジャパン (2009-06-24)
売り上げランキング: 25

加爾基 精液 栗ノ花
加爾基 精液 栗ノ花
posted with amazlet at 09.05.22
椎名林檎
EMIミュージック・ジャパン (2008-07-02)
売り上げランキング: 2060

深海
深海
posted with amazlet at 09.05.22
Mr.Children
トイズファクトリー (1996-06-24)
売り上げランキング: 5427