新曲を漁らなくなったことと、Nsenに入り浸るようになったこと

漁らなくなったと今更書いてるが、もう1年ぐらいは熱心な新曲漁りはやらなくなった気がする。もう好きなPが固定化されてしまったというべきなのか、基本的には一部PのマイリストをRSSでチェックして、新曲はTLに流れてきたのを適度に拾うような、そういう視聴スタイルが最近の常だった。

別にこういうスタイルを選んだことに理由はないというか、普通の音楽の聴き方と同じ聴き方になったのだと思う。商業音楽の場合も同じように、好きな人は定期的におっかけてる一方、たまにどこかで仕入れた情報を元に、未知の音楽に手を出している。で、チャートとかはあまり見ていないので、最近の流行とかにはとことん弱い。ボカロについてももう、「千本桜」を一回も聞いたことがないとかそういうレベルに至っている。

多分もうこのスタイルが崩れることはないだろうなーとなんとなく思ってたんだけど、最近ちょっと変化が起きた。というのも、Nsenを聴き始めたからだ。USENをあからさまにもじったであろうこのサービス、内容も「ユーザーのリアルタイムリクエストを反映して延々と曲を流し続ける」というUSENそのもの。このおかげで、手の空いたときはずーっとボカロを流し続けることが可能になってしまった。

普通、ニコ動で音楽を聴く場合は能動的に探し当てていかなくてはならず、頑張って探し当てた曲が仮にハズレ(と言ってしまっては申し訳ないが)だった場合はコスパが見合わないこともしばしばだった。が、Nsenは受動的にボカロを聴くことを可能にしてしまった。PCで作業している裏でダラダラ流し続け、気になるものがあればマイリス追加ボタンをポチり。この動きが実に快適というか、楽。

今までもVOCALOID FMのように24時間ボカロを流すサービスはあったんだけど、やっぱりniconicoトップからワンクリックで聴きに行けて、気に入ったらそのままマイリスにぶち込めるというのは楽すぎる。あとはニコ動特有の「みんなで一緒に聞いてる」感覚がやっぱり好き。もちろんニコ動なので匿名にはなるが、懐かしい曲や意外な名曲が出てきたとき、米でリアルタイムに意見をやり取りできるのが心地いい。

常に新しいものを追いかけなくても、これまでのアーカイブを回していくだけで楽しめてしまうというのは、そのシーンがかなり成熟した証なのではないかと思う。昔はどこか、常に新曲を追いかけなくては飢餓感があるような状況だったのだが、今はむしろ「これまで逃してきた曲たち」の方に興味がある。繰り返しになるけど、これは僕にとって商業音楽とまったく同じ聴き方になった。ブームから習慣へと完全に移行した今、もうボカロを聴かなくなるということは、ほぼあり得ないだろうなと思う。