流行り物ばかりを追いかけてワイワイする気はないし、コンテンツに消費期限があるなんてこともさらさら思ってはいないわけですが、それにしたって今このタイミングで「ガルパンにハマる」というのはさすがにどうなんだという気がしないでもないです。でもしょーがない、ハマっちゃったんだから。ちなみに「このタイミング」がどういうタイミングかと言えば、名物になっていた「立川ガルパン」が明日でついに上映終了するというタイミングです(明日は当初予定していなかったイベント上映なので、実質的には今日で上映終了ですね)。しかしネバーエンディングじゃなかったんだな。。。もうガルパン、シンゴジ、君の名は。を永久に続けんじゃねーかと思ってた。
自分がガルパンを見たのも立川がきっかけで、今年の夏頃になってこんなにもロングスパンで上映されている生ける伝説のようなアニメ映画、さすがに見とかないわけにはいかんなぁということで軽い気持ちで劇場版を見に行ったのでした。シネマシティとは個人的に長い付き合いなので、その音響の素晴らしさも、爆音上映も体感済みですし、まぁこんな感じだろうかな〜〜〜と想像しながら行ったわけですが。
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改めて爆音+センシャラウンドファイナルを味わうと、これが得も言えぬ快感。今回の劇場版、冒頭からガンガン凄まじい砲声が鳴るではないですか。あの低音が身体をズシズシ震わせてきた時点で「ああ、これゴジラ以上のアトラクションや……」と悟るに至りました。結局その後に余韻が後引いてしまってもう1回見に行くことになり、さらに先日オールナイトでのTV版+OVA『これが本当のアンツィオ戦です!』上映を見て、ついに本筋の映像媒体全制覇に至る(しかも全部極上爆音上映)。劇場版から入ってTV版へ回帰するって流れはあまり他にいないのかもしれんなとは思いますが、劇場版がTV版の伏線をいかに消化していたのかを逆回しで見られたのは楽しかったですね。劇場版、カール自走臼砲周りの攻防がほんと素晴らしくて、最後は「姉に自車をあえて撃たせる」なんていうクッソクールでハードボイルドな戦い方していたから、TV版序盤の「そもそも動かすだけで手一杯」っていうのがギャップありまくりでかわいかった。TV版を見ることで、改めて浮き彫りになった劇場版クオリティ。
通して見ていて、どうにも飢餓感を煽る作品だなという感覚が強く。そもそものTV版が若干詰め込みすぎなんですよね。戦車道というオリジナル設定を一から説明しつつ、まったくの素人たちを作中で育てながら、計4回の試合を勝ち上がって全国優勝へと導く。さらには廃校騒動というおまけ付き。もちろんTV版の試合も十分に見応えはあるけれども、スタイルの違う各校とわずか一度の対戦を経験するだけなので、まだまだ見たいという思いを否が応でも駆り立ててくる。キャラクターに関しても掘り下げ足んねーもっと見たいー!と思ってしまう。逸見エリカなんてTV版はほぼ悪役に徹していたので、劇場版があったかどうかでかなり印象が変わるキャラですよね。会長も母校のためにめちゃめちゃ働く、というか暗躍ってこういう風にやってたんだよなっていうのが見えるのは映画で初。聖グロも結局練習試合で終わっちゃったから、本当に「紅茶をこぼさずに敵に打ち勝つ」優雅なダー様が見られるのは映画だけである。逆にメイン5人が若干目立たないがな。
あと設定に関してはSFだよなこれと思っていたんですが、そういえば星雲賞取ってました。やっぱSFだ!
ガルパンはSFか? 『ガールズ&パンツァー』星雲賞受賞の反応 - Togetterまとめ
まー意見が割れるのはわかるけど、カエサルの時代から学校を搭載した巨大艦船の発想が存在していたとか、市街地が戦車戦に対応していてコンクリート道路になっていたりだとか、設定の端々は完全にSFだと思うのです。ただ作中ではこれらの要素はあくまで舞台装置に過ぎなくて、掘り下げられることはほとんどない。そこが想像の余地になるから、学園艦上の生活はどうなってんだとか、戦車道に関係する諸団体や学校は実際資金繰り大丈夫なのかとか、いくらでも自分で考えてみたり、設定資料を読み漁ったりで遊べるわけで。真面目な話ガルパンアンソロSF小説短編集とか結構期待したいんですがね。
もちろん、こういう言わば「二次創作のための余白」が大きい作品ってガルパンだけではないけれど、本編で一応の満足感を得られつつも、広い世界観を提示して自由に遊ばせてくれる作品バランスは上手いなぁと思う。そこを補完してくれる劇場版が、TV版以上に売りである戦車戦へガッツリとフォーカスしたつくりになっていて、オールキャラ出演で最高に見応えがあると来たら、やっぱ見ちゃいますわ。おまけに立川のあの音響はもう快感としか言いようがない。あまり大きい声で言えないけど、自宅で円盤で見ようと言う気があまり起きないのですよね()
なお自分の好みを言うとダー様好きです。TV版では「紅茶をこぼさない」とか言いながらガッツリカップ割ってんじゃねーか!とか、公式戦に至ってはいつの間にか負けてんじゃねーか!とか、ツッコミどころ残しながらやはり優雅な佇まいは崩さず貫くあの感じ、好き。金髪。いい。単純。
ダー様のこれ見たくてフラッパーのバックナンバーKindleで買ったけど、劇場版冒頭の聖グロがちょこちょこ補完されててすばらしいものだった。単行本期待。 https://t.co/Au3hoxKf2O
— chroju (@chroju) November 23, 2016
あまりにおせーよ!っていうハマったタイミングですが、冬コミを軸にしばらくは二次創作やコミックを漁りそう。そして幸いにも最終章は全6章で長く楽しみは続く! 立川の上映も不定期で続くみたいだし、応援は続けていきたいところ。いや、ガルパンはいいぞ。