the world was not enough

物語偏愛者の詭弁と戯言

2018年4月 - Darkest Hour / バーフバリ 伝説誕生 / 月曜日の友達

今月はなんだかよくわからないうちにあっという間に過ぎてしまって、あんまり本読んだりしてなくて、ブログの更新も少なめになりました。それほど忙しかったという気はしないのになんでだか。

Darkest Hour


Darkest Hour - Official International Trailer (Universal Pictures) HD

邦題は『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』なんだけど、断固として原題で呼ぶマン。時間軸としてはチャーチルの首相就任からダンケルク撤退戦までなので、まぁ撤退による陸軍兵力確保の成功が対独戦を有利に導いてくれたのは確かではあるものの、さすがに大仰すぎるでしょう、この邦題は。

歴史映画というよりは、驚くほど風貌が変化したゲイリー・オールドマンの一人芝居を見るための映画という感じだし、自分としてもそれを求めていたので満足。チャーチルの写真からは気難しそうな印象を受けるが、本作の彼は役者の質故か、なんともチャーミングで愛らしい。

見終わった後、小骨のように残ってしまった違和感は、終盤の展開が少々ドラマチックに過ぎたこと。対独抗戦か、講和かで悩むチャーチルが、突如市井に飛び出して市民の声を聴くというのが史実かどうかはわからないものの、さすがにこれは創作だろうと、急に覚めた気持ちで見てしまった。しかし、そこでロンドン市民から得る答えが、老若男女一切の迷いなく「Never !! (屈するべきではない)」なのは英国と言う国らしいな、とも思った。

バーフバリ 伝説誕生


【予告編】『バーフバリ 伝説誕生』PART2

シネマシティで待望の極上音響上映!ということでついに見た。

確かに面白い。荒唐無稽のようでいて、それをパワーで押さえつけて見る者を圧倒する映像とストーリー。全20巻あるジャンプ漫画の前半10巻分を実写化するなら、日本よりインドの方がめちゃくちゃ良い仕事しそうだなという感想。

でも世間で言われてるほどハマってしまったかというと、そこまでではなくて。それは俺がこの映画に合わなかったのか、先般のブームは第2弾『王の凱旋』の方だったので、第1弾の方はまだまだ序の口ということなのか。続きは普通に気になるので、『王の凱旋』も見てから総合評価したいところ。せっかく出し、完全版で見る予定。

阿部共実『月曜日の友達』

月曜日の友達 1 (ビッグコミックス)

月曜日の友達 1 (ビッグコミックス)

月曜日の友達 2 (ビッグコミックス)

月曜日の友達 2 (ビッグコミックス)

阿部共実は『ちーちゃん』を読んだときにものすごいショックを受けてしまって、それ以来触れなくなっていたのだけど、本作はamazarashiの曲に合わせたMVが非常に心惹かれる出来になっていて、おそらく『ちーちゃん』のような後味ではなさそうだ、と予想して拝読。


amazarashi『月曜日』“Monday” Music Video|マンガ「月曜日の友達」主題歌

結果、『ちーちゃん』のショックが阿部共実の評価基準として置かれてしまっていた故、逆に物足りなさを感じるというよくわからない状態に陥ったのだが、月並みに言って良い、とても良い作品だった。『ちーちゃん』のような頭をガツン!と殴られる作品ではなく、じわりと心に広がる作品。少し疲れてしまった1週間を終えたときに、布団に入ってさらさらと一気に読み切るような読み方がオススメ。強烈なインパクトがあるわけではないのだけど、この作品が存在していた、この作品を自分は読んだんだという事実は、きっとこの先の人生を少し生きやすいものにしてくれる、そういう確信がある。自分の中では、『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』と同じような立ち位置に収まった。

ブルーノ・ムナーリ

https://gyazo.com/561c0c1c8d67872cbb52c7579a9b1ec1

つい先程、葉山まで脚を運んで見てきた。神奈川県立近代美術館の葉山館、鉄道の走らない葉山町にあるので結構行くの大変なのだけど、ブルーノ・ムナーリの大規模展は是非に行かねばと……。そして行ってから気付いたけど、世田谷美術館でもやるのね。まさか関東2会場巡回とは思わなかった。まあ三浦半島の空気は好きだし、行って良かったけど。

ブルーノ・ムナーリ、個人的には絵本の制作やワークショップの開催で、こどもに対するアプローチを強く行っていた人という印象があったのだけど、今回の展示でその生涯を概観できて、様々な面に触れられたのがよかった。彼は非常に理屈で裏打ちしていたというか、アートやデザインというものに対して、考えながら向き合っていた面があって、そこに好感を抱いている。アートとは何か。どんな表現をするべきなのか。どんな感性を刺激できるのか。そしてそれらの答えが、アートの可能性を広げ、誰もがクリエイティブになれるのだとういう、民主化の方向性を持っているのがまた良い。アートはつい難しかったり、高尚だったりという印象を抱きがちだけど、もっと自由でいいのだと自分も思っている。