the world was not enough

物語偏愛者の詭弁と戯言

2019年1月 - ゾンビランドサガ / トクサツガガガ / 七花少女 他

ゾンビランドサガ

Image from Gyazo

C95 で、壁際ではない中の方のお誕生日席なのに行列ができていて通れないという経験を3回ぐらいして、なんだろうと見てみたらどれもゾンビランドサガだった、という経験をした。ヴィンランドサガじゃないんかい、っていうツッコミ待ちとしか思えないこのアニメがこれほど人気になるとは、コミケの準備委員会でも抽選時点では読めてなかったらしい。興味を惹かれたので全部追いかけてみた。結果、1話をみた時点ではどうすんだよこのアニメ?!って感じだったのに、リリィ回に至るとポロポロ泣いてる自分がいました。

ど直球でシンプルなギャグアニメかのように見せかけて、その実よく練られていて、そういえばそういうアニメがじわじわ爆発するのは、けもフレでも同じ流れだったよなと思い出す。生まれた時代の違うアイドルが、ゾンビとして一堂に会するからこそできる、2010年代の「会いに行けるアイドル」と、そのアンチテーゼとしての昭和アイドルの激突なんて唸るしかないでしょう。悪ふざけとしか思えなかった設定がどっこい脚本にガッチリ活きている気持ちよさ。佐賀がテーマなのもヴィンランドサガと絡めたかっただけのように見えて、アイキャッチをも使って佐賀を盛り上げようとしているあたりに好感が持てる。ドライブイン鳥が気になって仕方ないです。

アイドルものとしても歌やライブがきちんと出来上がっていて、全体的にエンターテイメントとして質が高いのは、プリキュアONE PIECE に関わってきた境宗久監督の手腕でもあるんですかね。2期が待ち遠しい。伝説の山田たえ、伝説の三石琴乃が覚醒するところ、最後にとっておくのかと思いきやまさかのおあずけ食らったんで、早く見たいんですよね。三石琴乃をワンクール出しながら「あー」とか「うー」しか言わせなかったアニメ、前代未聞だよ。

竹宮ゆゆこ『あなたはここで、息ができるの?』

あなたはここで、息ができるの?

あなたはここで、息ができるの?

すっかり一般文芸で定着しているような気がする竹宮先生、昨年の新作。読み口がライトなのに、心のデリケートな部分を遠慮なく切り裂きに来るような味は、ジャンルこそ違えど桜庭一樹を思わせなくもないなとたまに思う。

今回もそういう作風。ではあるのだが。帯にも書いてあるしネタバレではないと思うが、今回そこにだいぶ竹宮先生としては大掛かりな仕掛けと言えるタイムリープが組み込まれていて、それはそれでいいんだけど、それでいて落ち着くところはいつもの竹宮節なので、タイムリープまで持ってくる必要あったかなぁとちょっと思ってしまう。彼女の作品はやはり『とらドラ!』が好きなので、あの「ちょっとした仕掛け」が大きく様々な人の感情や行く末を狂わせていくところに醍醐味を感じてもいたので、なんか、そういうのをまた読みたいなと懐古的に感じたりもした。

ドラマ『トクサツガガガ

NHKサブカルをテーマに何かやると、つい見てしまうみたいなところがある。わりとネット民に共有される性質であるとも思っている。民放各社がやるより、ニュートラルかつ抑制的に扱ってもらえることがもうわかってるからだろうか。最近はそれに加えて「やたらクオリティ高い」とか「だいぶやりすぎている」という例も多くなってきたのもあるか。紅白、Vののど自慢、平成ネット史と年末年始はすごかったですね。

本作もすごく力が入っていて、劇中作の特撮ヒーローが着るスーツがすごくいい出来、というのはネットでも言われている通り。おまけに原作のデザインほぼ再現なので原作者嬉しいんだろうなーという感じ。役者さんの演技も原作の雰囲気出してていい、んだけど、隠れオタ女子が日々の困難を特撮ヒーローの言葉を思い出しながら頑張って乗り越える!という展開は、ドラマで見てしまうと共感性羞恥がすごくて自分のオタク心というものが大変なことになります。いや、オタクの心にそれだけ訴えかけてくるあたり、いい作品なのは確かなのだが。

ナチス 第三の男

HHhH (プラハ、1942年) (海外文学セレクション)

HHhH (プラハ、1942年) (海外文学セレクション)

原作となっている小説の『HHhH』というタイトルがとても好きで、映画化されてもこのタイトルで呼び続けていたけど、実際見ると原作とはまったくの別物だったのでもう『ナチス 第三の男』でいいやという感じ。そもそも映画の原題もHHhHではなく『The man with the Iron heart』だし。しかし、ナチスが絡む映画は、どうしても邦題に「ナチス」と入れたいらしい。

原作からして、実際に起きた事柄を、起きたままに描くということがどういうことなのか、歴史を物語にせずに書くことはできるのかという、ローラン・ビネがそういった難題に苦心して、小説を書き上げる過程自体が小説の中に組み込まれた、極めて挑戦的な構造を取っている、そしてそれ故にこの作品は名作なので、映画化と聞いたときはどう映像化してくるかが楽しみだったのだけど、なんのことはない、それらの過程はすべて捨象されて、単なる歴史映画になっていたので落胆が大きい。この映画単体で見れば悪くはないのかもしれないが、それにしたところで昨今『ダンケルク』のような味の濃いWWII映画は少なくないので、いまいち魅力に欠ける。日本語版コピーの「なぜヒトラーでもヒムラーでもなく彼だったのか?」という疑問への答えも呈されないし、久しぶりにこんな不誠実な映画(というか映画のセールス)見たなという感じです。「原作」読みましょう。

七花少女

昨夏のメモリアルライブで燃え尽きて以来、ナナシスからは離れていたんだけど。


【Tokyo 7th シスターズ】七花少女 デビューシングル「花咲キオトメ」Trailer

白鳥トモエが尋常じゃないことになっていて激しく動揺した。

ナナシスアイマススマホゲームと似たように、メイン以外でもすべてのキャラクターが非モブの扱いであり(ただし、ナナシスでは声は全員初期から実装されてます)、ゲーム実装後は扱いの小さいキャラでも、しばらくしてからCDデビューに至ることがあるのだけど、デビュー前の時期においてもある程度のストーリーはゲーム内で語られる。トモエは超ネガティブで、お世辞にもアイドル向きには見えなくて、でも注目されたいがために奇行に走るため、パンクロック衣装のような奇抜なカードが多く、表情も固くて、これまでゲーム内でも(自分が知る限り)そのネガティブさを克服しきった描写もなかったのだが、その子が突然7人組のセンターで、それも晴れやかな顔でティザーが公開された衝撃たるや。この笑顔を作れるまでに何があったのか、6人との間でどういう会話が交わされたのか、そういう想像を無限に膨らませる恐ろしいティザービジュアルです。個人的なイメージだとわたモテのもこっちが最近ハーレム状態になってるアレを思わせますが、あれ以上に衝撃はでかいです。表情が柔和になってるからだろうな。

どうもこれまでメインを担ってきた777☆SISTERSの次世代として、新たに「7」を冠したグループという意味もあるようで、そんなところにトモエが大抜擢されているというのもエモの極みみたいに思えて、半年ぶりの復帰に至りそうです。

ワンダーラスト (2019: A Self Odyssey)


sasakure. UK Remake - ワンダーラスト (2019: A Self Odyssey) / The WANDERLAST (2019Remake) feat.巡音ルカ

今月の1曲。巡音ルカさん、10周年おめでとうございます。