東急百貨店 渋谷本店

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ささやかな嗜好として近現代建築が好きで、とはいえそこまで詳しいわけでもなく、40〜50代ぐらいになって少し落ち着いた頃に全国見て回りたいなどとぼんやり考えてもいたのだが、近年都心の再開発が進み、昭和の頃の建築物が解体されることが多く、どうもそんな悠長に構えられる趣味でもないのだと気付き始めた。

東急百貨店 渋谷本店は年明け、2023年1月に閉店となる。あまり時間が取れなかったのだが、同時に閉店になってしまうMARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店を中心に見てきた。そもそも渋谷という街自体がどうも苦手で、この書店に来たことも記憶にある限り両手の指で数えるほどしかないのだが、所用で渋谷に来たときに立ち寄る書店と言えばここだったので、いざ無くなると言われると困ってしまう。大型書店の魅力は、特に様々なジャンルの専門書が豊富に並んでいるという点に尽きる。自分が専門としない領域でも、こんな本や分野があるのかと背表紙を見ているだけで楽しい。この日は30分ほどしか滞在できず物足りなかったので、時間が許せばもう一度来たくなった。

百貨店建築というものも好きで、特に僕は百貨店の階段が好きだ。階段など、言ってしまえば機能性だけが重視されるものであり、エスカレーターでの上下移動が主流の現代においては、人の通行が稀ですらある。しかし数十年、あるいは百年ほど前に建てられた百貨店においては、どうにも気合いの入れ方が違い、独特の気品を感じられる場合が多い。店舗ごとの個性が出やすいのがフロアサインで、東急渋谷本店においては、階段によってもフロアサインの意匠が異なったりしている。いかにも長い年月を経ていそうな、「8階5号階段」の文字もたまらないものがある。

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ところでこの記事を書くにあたって「百貨店 階段」などと検索していたところ、同好の士がDPZにいるのを見つけ、なんというか、さすがだなぁDPZと言わざるを得なかった。日本橋三越はホントヤバい。天女の像の裏あたりにある階段が、そこの備え付けのトイレと合わせてキングオブ階段です。

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