日本で一番かっこいいロックバンド

「俺はUNISON SQUARE GARDENが日本で一番かっこいいロックバンドだと思ってるんだ(p.258)」、と、ヒトリエのwowakaが話していたことがある。

wowakaが生前書き残したすべての楽曲の歌詞を集めた『wowaka 歌詞集』という本があるのだけれど、昨日書店でふとそれを見つけ、手に取ってみたところ、UNISONの田淵智也がwowakaへ寄せた3ページのメッセージの冒頭で「ヒトリエに呼ばれた2マンでボーカルの彼がMCで言っていたような気がする」として、この言葉を引いていた。気がする、とあるけれどこれは確実に言っていた事実であり、というのも自分もその場に、2018年1月17日ヒトリエ主催の2マン企画『nexUs vol.4』が開催されたマイナビBLITZ赤坂にいたからだ。UNISONとの2マンという舞台を整えられたことに、wowaka自身が相当嬉しそうにしていたのを覚えている。この言葉を高らかに叫んでいたのもよく覚えている。その言葉に、8年ぶりにこのタイミングでまた出逢うのかぁ、という偶然がなんだか面白くなって、本は買って帰った。

夜闇のなかで、ライブ会場である赤坂BLITZに貼られたライブポスターを撮影した写真だが、ひどくブレていてポスターは読み取れず、かろうじてBLITZの看板が読める程度になっている。
当時の興奮がよくわかる

UNISONのライブに関しては、その後はお世辞にも足繁く通っていた、とは言い難く、特にコロナ後は行く機会をなんとなく逃していたのだが、何がきっかけだったのか、昨年の夏ごろにUNISONのチケットを取ろうと思い立って、無事に取れて、ちょうどこの2月にTOUR 2025-2026『うるわしの前の晩』東京最終公演に行ってきた。春先というタイミングに聴きたいなと願っていた『春が来てぼくら』を、しっかりアンコールの最後に持ってきてくれて、他にも中盤過ぎてからの『オーケストラを観にいこう』『10% roll, 10% romance』『kaleido proud fiesta』『シャンデリア・ワルツ』という流れも最高だったし、でもそれでもまだまだ聴きたい曲がたくさんあったから、しばらく遠ざかっちゃっていたけれど、もう少し頻繁にチケット取れたら取りたいねぇ、などと有明のサイゼリヤで深夜に話していた矢先の活動休止の報で、それなりに痛い。『nexUs vol.4』のあの日も、それから1年ちょっとでwowakaが亡くなるなんて思いもしなかったし、今回だってこれが今のスリーピースで最後のツアーになり、その次が現体制ラストライブになるだなんて、当然だが思いもしなかった。でも、その最後の際ギリギリに聴けたのは幸運とも言えて、特に今回は数年ぶりに足を運んだツアーが最後のツアーとなったわけだから、何か虫の知らせだったんだろうか、とすら思ってしまう。

一方ではそこまで動揺していない部分もあって、まぁバンドが20年以上もメンバー1人も変わらず続いてきたということ自体が、もしかしたら奇跡のような話だったかもな、という思いがあったりもする。三十代後半の人間としては、ちょうど多感な頃に聴いていたバンドが、例えばアジカンとかBUMPとか、メンバー変わらずに存続できている大物が意外といるから感覚がバグりそうにもなるのだけれど、その一方で解散したバンドや、形が変わってきたバンドもたくさんあるわけで。実際のところ、20周年、という言葉を聞いたあたりから、いつまでこの形態で、このUNISONを聴けるだろうか、みたいな思いはたまによぎったりしていた。それは別に、何か確証めいた予感というわけではなく、何事も永遠ではないよな、という思いは、この歳になるとある程度持つようにはなる。

UNISONとヒトリエの2マンは、その後wowakaが亡くなった翌年の2020年4月にも、今度はUNISONが主催の形となる『fun time HOLIDAY 8』として、Zepp Fukuokaで開かれる予定だった。あの2バンドが再び、と思ったら福岡開催なことなんて関係なく、何の躊躇もなくチケットを取り、宿も交通手段も押さえて楽しみにしていたのだが、コロナ禍でこのツアーは全公演中止になってしまい、その後振替公演も模索の末に断念されている。どこかでもう一度、UNISONとヒトリエの2マンがリベンジされないかな、とはそれから密かに待ち続けていたし、今もまだ待っている。