お金で“換える”価値がある

ニコ動のプレミアム会員に晴れて登録いたしました。金銭的にも若干余裕が出てきたので。月額500円って大した額ではないんですよね……。

今回のプレミアム登録の目的は、プレミアム専用機能を使いたかったからというより、ニコ動へのリスペクトの意味を込めてという感じです。ニコ動がずっと赤字にあえいでいるのはご承知の通り。だから僕はニコ動が好きなので、少しでもその足しになればなーと。プレミアム登録を終えた瞬間、「黒字化に一歩近づきました!」という夏野さんのメッセージが出たのには笑いましたが。

リスペクトをお金で表すという発想

リスペクトの意味でお金を払うという行為では、こちらにはあまり「得」がありません。何の得もしないかもしれないけれど、「すごいよ!」という感情を表すためにお金を払う。なかなか面白い購買の形態だなと僕は思います。

例えば以前、旅行中に街中で偶然見た大道芸が結構面白かったので、どかんと1000円置いていったことがあります。旅行中ということでテンションが上がっていたのかもしれませんが、これも一つの「リスペクトを金で表す」行為。

ウェブでは最近話題のニコニ広告もそれに当たりますよね。すごい動画をアピールしたいという、ただそれだけの理由で、100円以上〜無限大(修正→一度のニコニ広告設定で使えるポイント数は99900ポイント=99900円まで)投げ銭ができる。あるいははてなのカラースターもそうかもしれません。あれの場合、現段階で購入している人はネタなんじゃないかという向きもありますけど。僕自身がそうですし。

相反した大衆消費社会

高度経済成長やバブル期を生きた世代にとって、「高い車」とか「大きいテレビ」とか
「新製品の家電」という、他人に自慢できる「見栄消費」が大事でしたから。
でも今どきの若者は、自分の生活が快適であることが大切で、見栄や自慢のために
消費することはあまりないわけです。

痛いニュース(ノ∀`) : 「高い車」「大きいテレビ」を買わない若者=「草食男子」は“見栄消費”しない - ライブドアブログ

高度経済成長というか、資本主義が興隆する中で根付いた「大衆消費社会」は、このような「リスペクト投げ銭」とは相反する消費の形態です。痛いニュースで紹介されたこの記事でも指摘されているように、他人への見栄ではなく、自分に誇れる消費の形態になります。また、購入するものの価値が市場などの客観的な要素ではなく、自分で主観的に決めるという意味でも既存の消費とは少し違うよな、と感じるものがあります。

ただ、なかなかこういう消費は簡単には根付かないと思うんですよね。引用記事では「今どきの若者」なんて簡単にくくられてますけど、まだ「見栄消費」の方が多い気がしますし、自分に何らかの得がなければ「金を払おう」とは考えない人が圧倒的に多数派でしょう。

以前、カフェスタのアバター購入呼びかけを機に、ウェブサービスの課金モデルに対する議論が湧き出たことがありました。これっておそらく、「リスペクトをお金で表す」という発想が根付かなきゃ無理なんじゃないかとも思います。


すごいよ、ありがとう。その意味を込めてお金を払うという場面は、明らかに以前と比べては増えてきていると思います。特にウェブ上では、この消費形態の広がり方が今後の鍵になってくるんじゃないかなーなんて、プレミアム登録しながら考えてみました。