2023-01-01から1年間の記事一覧

『ユリイカ2024年1月号 特集=panpanya』と、紀伊國屋書店新宿本店と。

ユリイカで好きな作家が特集されているとだいたい買ってしまう。僕の好きな作品の好きなところを、いろんな人が本当に上手いこと言語化してくれているので純粋に嬉しいのもあるし、そうか自分はこの作品のこういう部分が好きだったのか、と改めて気付かされ…

ヒトリエ『ジャガーノート』と、センター街と。

今年は秋ぐらいまでいろいろと忙しくて、あんまり意識的に遊びに行ったりみたいなこともなく、それで秋、もろもろのことが済んで10月中旬ぐらいに何かどこか遊びに行くか、と考えたときに「あ、ライブ」と思った。新型コロナのあれそれが緩和され、いつの間…

くどうれいん『わたしを空腹にしないほうがいい』

食をテーマとした1か月の日記、というか、エッセイというか。 最初に出てくる料理が、適当に冷蔵庫にあったクレソンと三色ピーマンと鶏肉を炒めて、バターをたっぷり使ったガーリックライスに添えたものだった。クレソン。たぶんあれのことだよな、たまに外…

柴田勝家『走馬灯のセトリは考えておいて』と、バーチャルアイドルと、魂の在処と。

『世にも奇妙な物語 '23 秋の特別編』で柴田勝家原作と宮内悠介原作のドラマをやるらしい、と聞いたときにはすでに放送が終わっていたのだが、TVerというものは本当に便利。フジテレビなのでFOD限定だったらどうしよう、と思ったがそんなことはなくてTVerで…

文学フリマ東京37と、本を出すということと、本を出してはいないこと。

blog.hatenablog.com 文学フリマ東京37に行ってきた。ありがたいことに、当日頒布された「はてなブログの文学フリマ本」に DM250と、書き留めるということと、わかりあえなさと。 を収録いただいており、無事に受け取ることもできた。文フリには2014年からた…

旅と本と。

kashmir『ぱらのま 6』白泉社 2023 p.26 旅先にはだいたい常に文庫本を1冊持って行っている。Kindleユーザーだから、スマホさえあれば本は読めるのだが、なんとなく物理的な本が1冊は欲しい。これを減らせば多少なり荷物が軽くなるのも、結局のところそこま…

DM250と、書き留めるということと、わかりあえなさと。

gyazo.com ポメラは初代のDM10を買ったことがあり、当時は大学生だったので授業の板書を取るのに使っていた。社会人になってからはPCを持ち歩くことが増えてポメラの出番はなくなり、いつしかプラスチックの経年劣化なのか、DM10はあの特徴的なキーボードが…

Twitterはウェブ上での「居場所」だった

13年選手です。 「ほかいま」という単語はもうほぼ死語だと思うが、初期のTwitterの空気感をよく表している気がして。今でも使われているかもしれないが。一応意味を説明しておくと「ほかほか」と「ただいま」のかばん語であり、風呂から上がったことをツイ…

伊勢うどんと、文フリと、『ぱらのま 6』と。

dailyportalz.jp デイリーポータルZの記事がふと流れてきて、あれ、この本文フリで買ったやつじゃん、と思った。 文学フリマ東京36 - the world was not enough の中でもバッチリ言及している。それもそのはずというか、著者の 玉置標本 さんはDPZでもライタ…

『恒星』と、アフターダークと。

【メーカー特典あり】光の中へ(メーカー特典:「ジャケットイラスト&ロゴステッカー」付)(初回仕様限定盤)アーティスト:ぼっち・ざ・ろっく!アニプレックスAmazon 「陰キャならロックをやれ!」を真に受けて良いのかはよくわからない。自分は陰キャだと思…

文学フリマ東京36

手元の日記によれば、文学フリマに初めて行ったのが2014年らしく、もう10年近く前になるらしい。毎回足繁く通っているというわけでもなくて、特にコロナ禍においては一度も行ってなかったりして、昨年11月の「東京35」で何年ぶりか、というのがわからないぐ…

COVID-19と生活 (5)

2020年に「COVID-19と生活」と題するエントリーをシリーズ的に4回ほど書いていた。 僕は今回の騒動で、実際に感染したわけではないし、幸運なことに収入なども大きく変化してはいない。だけど世界が変わり、生活の変化は余儀なくされた。この状況下での生活…

第3回 日記祭、日記の時代

日記祭というイベントが開かれていることは以前から知っていたのだが、今回の第3回で初めて実際に訪問した。場所は下北沢のBONUS TRACK。下北沢という街は嫌いではないのだけれど、どことなくアウェー感を覚えてしまって、なかなか足を伸ばす機会が今までな…

滝口悠生『水平線』

滝口悠生を読み始めたのは昨年からで、初めて手に取ったのは『高架線』だった。 きっかけとしてはfuzkue 初台に『高架線』の単行本が置かれていたからで、とはいえ内容はまったく知らず、表紙をただ見かけたというだけだったと思うのだが、なぜそれで惹かれ…

ドミニク・チェン『未来をつくる言葉』

未来をつくる言葉―わかりあえなさをつなぐために―(新潮文庫)作者:ドミニク・チェン新潮社Amazon 「わかりあえなさをつなぐために」と副題が付けられた、言葉を巡るエッセイ集。僕は大学での専門が言語社会学であり、言語や言葉に関する本についつい手が伸…

BLEACH 千年血戦篇

BLEACHのコマ割りは非常に映像的だ。象徴的なところで言えば、あのマンガは、紙の上で展開されているのに「画面が暗転」する。 久保帯人『BLEACH―ブリーチ― 61』集英社 2013. これは542.の最後のほうのページで、BLEACHではよくあることだが、この話ではサブ…

2022年に良かったコンテンツ

僕が2022年に見た・読んだ・聴いたコンテンツの中での話なので、2022年の新作とは限らず載せている。今年は1つずつ丁寧にエントリーを書くリズムが取り戻せればよいのだが。 panpanya『模型の町』 www.hanmoto.com 表現が難しいが、独特の味わいを持った短編…