『楽園展』に行った。言葉だけ聞くとシュールだが、漫画誌の『楽園』のことである。物販で買った、背景に「楽園」と書かれ、集中線に囲われた二足歩行の犬のピンバッジはさらにシュールに見える。彼は一応漫画のキャラクターで、panpanya先生の各種短編に頻出する、レオナルドである。頻出するが、同一人(?)物なのかはわからない。星新一作品におけるエヌ氏のようなものと捉えている。
描きおろしのイラストもあり、原画もあり、撮影もOKというところで。アナログで描いている漫画家も結構いるのだなと思った。漫画家はわりとまだアナログなんだろうか。アシスタントとの分業とかを考えるとアナログのほうが良さそうな気もする。panpanya先生は絵の「味」的に、アナログのほうが良さそうにも思える。最近はデジタルでもアナログっぽくできたりはするものの。
『楽園』の漫画関連でグッズが出るということはそれほど多くないので、半ば物販目当てのようなところはあった。特にpanpanya先生関連のグッズはほぼ全部買い求め、なかなかにお金をかけてしまった。
別の日、渋谷PARCOで開催されている『MOTHER2のひみつ』に行った。一度チケットを買えば、日時指定不要の時間帯であれば何度でも再入場できるというのがうれしい。中はゲーム制作当時の資料がずらっと並んでいて文字と絵と立体物が大量、という感じなので、面積は広くないが時間が要る。仕事帰りにさくりと行けたが、全部しっかりと見るにはもう一度ぐらい行きたいとは思う。
MOTHER2。小学校高学年の頃、とある友人宅に週2〜3回呼ばれて遊びに行っていたが、彼はいつも『MOTHER2』をしていた。はじめこそ「人を呼んでおいて1人用ゲームをやるのかよ」と思ったりもしたが、高学年ともなると別に「2人で遊ぶ」ことにこだわらなくても過ごせてしまったし、自分もその間、好きにマンガを借りたりして1人で読んでいたし、近所に住んでいるから、用がなければなんとなく一緒にいる、ぐらいの感じだった。そのときに彼が遊んでいるのを見て、面白そうだなという記憶だけが強く残った。他のRPGに似ているけれど、ちょっと違う感じ。超能力でテレポートするのに、街中でぐるぐる助走する必要があって、その間に障害物へぶつかると失敗してしまうとか。電話をかけるとピザを届けてくれるシステムがあるとか。回復アイテムがアーモンドもなかだったり、カロリーブロックだったり、サマーズふうパスタだったり、どんな味なんだろうと想像するのが楽しかった。今でも食べたい。コラボカフェとかやってほしい、と思うけれど、公式によって味を「確定」させてほしくないとも思う。
実際に自分でプレイしたのはその後、『MOTHER3』が出ると知ったときに、自分でもやってみたいと思った。ちょうど、その直前に『MOTHER 1+2』がゲームボーイアドバンスで出たので買い、シリーズ全作通してプレイができた。『3』は『2』の雰囲気を損なってはいなかったが、ストーリーは重くなり、それ以上に、「時間経過」がある故に、以前訪れた街に再度訪れることができなくなるなど、自由度が狭まったのがちょっと不満ではあった。あのストーリーは、シリーズ全体の締めとして非常によかったとは思うのだが、小学生のころの記憶もあって、『2』が一番心に残ってはいる。
『MOTHER2のひみつ』に来ている人は、誰もが自分と同年代ぐらいに見えた。土日だが子どもはいなかった。それはそうだろう、という話だが。今の小学生たちは、スマブラに出てくるネスをどう認識しているんだろう。僕がゲーム&ウォッチとか『悪魔城ドラキュラ』(1作目の発売は、僕が生まれる前である)とか言われてもピンとこないのと似たようなものだろうか。
『楽園展』に行った日、会場が新宿だったから、ついでに初台のNTT インターコミュニケーション・センターにも寄った。ついでという距離でもなかったりはするのだが。ICCは30分ぐらいあればサクッと見られるギャラリーでいい。
という感じで、いずれも滞在時間30分〜1時間ぐらいなのだが、最近はいろいろとうろうろしているな、と振り返ってみると思う。