the world was not enough

物語偏愛者の詭弁と戯言

『弘前さくらまつり』と桜ミクとふらいんぐうぃっち

Image from Gyazo

平成から令和の変わり目にかけては東北をぶらぶらしていました。青森と福島と仙台。メインで据えていたのが弘前で。というかさくらまつりで。というか桜ミクで。

これ発表が3月で、さくらまつりは4月下旬からなので青天の霹靂もいいとこだったんですよね。弘前さくらまつりは元々かなりの人気があるイベントだし、宿もなかなか取りにくい状況だったので行くかだいぶ迷ったりもしたんだけど、数年前に弘前へUターン転職した友人が「来るなら春(さくらまつり)か夏(ねぶた祭り)」と言ってくれてもいたので良い機会だしなぁと足を運んだ。平成最後の遠征。平成最後のミク活。

そもそも桜ミクってどういう経緯で生まれたキャラクターだったのかも記憶の彼方だったのだが、 pixiv大百科 によれば『ミクパ♪』の特典グッズだったらしい。

2011年の"ミクの日"である3月9日に開催されるライブイベント「初音ミク ライブパーティー 2011 -39’s LIVE IN TOKYO-」(略称「ミクパ♪」)にて、来場特典グッズとして「ねんどろいどぷらす 初音ミク 桜バージョン チャーム」が来場特典として公開された。

雪ミクは最初から北海道に結びつけて作られたキャラだったけど、こちらはそうじゃない。弘前と元から関係があったわけではなくて、10年近い時を経て誰かが新たな価値を見出してくれたということになる。そういうの、なんかいいんだよなと思う。

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弘前の人にとっても突然のことだろうし、きっと桜ミクのことは知らない人が多いだろうし、わかるとしても「初音ミクが桜に合わせたピンクのバージョンでキャラクターになった」ぐらいな気がするし、おそらくは「さくらまつりに最近流行りっぽい可愛いキャラができた」ぐらいに思っている人が多いんじゃないかという気はする。でも現地で等身大ポップを地元の人っぽい高校生とか、小さな女の子とかが一緒に写真を撮ったりしていて、それなりに受け入れられていそうなのが印象的だった。札幌だと1ブロック歩けばミク廃にぶつかるぐらいだけど、弘前はさすがにライブなどがあるわけでもないこともあってか、それほど「こちら側」っぽい人には出会わなかった。

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コラボ要素としては、まつりのメイン会場である弘前公園にいくつか等身大ポップが置かれていたり、弘前駅にも大きな PR ポスターが貼られているほかはグッズの販売と配布が主なところ。グッズはスタンプラリーで貰えるものもある一方、商店街の各店で既定の買い物をすると貰えるものもあった。こちらは地元の制服屋さんなども対象になっていて、必ずしも初音ミク目当てで来た遠方の客を対象にしているわけではなさそうで、地元に根ざしたコラボレーションってこういうものじゃないかなぁと思ったり。

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それにしても桜が綺麗。暴力的なほどに綺麗で圧倒された。弘前の桜を見ると上野などどうでもよくなると聞いていたが、それもよくわかる。弘前公園の中を歩いていると、どこからどう行っても桜、どう見渡しても桜。ソメイヨシノだけではないので飽きないし、弘前城のお濠と相まって、立体的に様々な表情を見せてくれる。屋台も多くて、遅くまで楽しめました。地元のブランドとうもろこし「獄きみ」を使った天ぷらに至ってはリピートしてしまった。

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弘前と言うともうひとつ、『ふらいんぐうぃっち』の街でもある。青森が舞台であることは知っていたけれど、具体的に弘前であることは行って初めて知った。弘前では先の友人宅に泊まったのだけど、寝て起きてから、最新7巻で真琴が訪れた「あたご温泉」に連れて行ってもらいました。あんまり「聖地巡礼」の趣味はないのだけど、作中そのまんま過ぎてテンション上がってしまった。作中では真琴が熱い風呂→水風呂のコンボでふやけてましたが、本当にそんな感じ。かなり濃くて湯温も高い硫黄泉で、これで300円ちょっとって最高すぎる。ちなみに行きがけには野生のキジも見ました。マジでいるんだ。

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朝早くに行ったので水風呂は溜まりきっていなかったけど、本当にこれだった。

もしかしたら『ふらいんぐうぃっち』という漫画は、弘前市を訪れたときに初めて完成するのかもしれない。人口密度はもちろん高いわけではなく、山があり野があり桜があり、少し時間がゆっくり進んでいるようなこの街ならば、1人ぐらい魔女がいてもおかしくないんじゃないか、という不思議なリアリズムを感じられる。『ふらいんぐうぃっち』を読んだり見たりしたときに感じる、あの緩い空気がそのまんま弘前市に満ちているんですよね。あのマンガの描く「日本のどこかに魔女が普通に生活をしているのかもしれない」という空気感を実際に感じ取ることで、『ふらいんぐうぃっち』の世界観というものにどっぷりと入り込んで理解ができたような、理解と言うか感じることができたような、そんな風に思う。