初詣にはあまり行かない家庭で育ったのだが、大人になってからはわりと行っていて、今年は1月2日に友人と浅草寺、3日に家族と川崎大師へ参拝した。「行かない家庭」というのも別に宗教的な理由などではなく、ただ人混みや行列を厭う傾向が強い親だったと言うだけだ。おかげで僕も行列に並ぶことがあまり好きではないが、イベントや祝い事では勢いに乗っておいたほうが楽しいと思うようになったのは、ひとえにコミケと出会ってしまったからだとは思う。
それでも氏神様へお参りするのが精々というところではあったのだが、同居する家族以外と初詣に行きましょう、という機会がここ数年増えてきて、となると、誰もにわかりやすく集まりやすいところで有名神社仏閣という選択になったりする。首都圏で参拝者数ベスト10に入るようなところへわざわざ行くなど正気の沙汰だろうか、と昔は思っていたものだが、午前のうちであれば、意外と30分も待たずに参拝できるのだと知った。
浅草寺は11時半頃には参拝を終えて、そのままホッピー通りの『もつくし』でモツ煮や刺身をつまみながら飲む。周りはホッピー、僕は下戸なのでジンジャーエール。巨大なテレビでは箱根駅伝の往路が映されていて、今年は國學院が大学駅伝三冠をうかがっていると友人が言い、全然そのあたりは詳しくないが、失礼ながら國學院があまり強いイメージがなかったので驚く。一方、その友人は自身の母校が今年出場していることを知らなくて驚いている。半可通でもなぜか箱根駅伝だけはなんとなく知っていて、でもやっぱりなんとなくしか知らない。周りも駅伝を見ていたり、まったく見ずにひたすら飲んでいたり、思い思いに正月を過ごしている。インバウンドの観光客らしき人もそれなりに見かけて、異国で正月を過ごすのはどういう気分なんだろう、と思ったりする。日本に来て年を越して、浅草寺に初詣して、ホッピー通りで昼から酒を飲んでいるというのは、なかなかに最高の過ごし方に思える。国境さえも越えて大勢がここに集まって、見知らぬ人たちが新たな年を一緒に祝っている。多くの人がわざわざこの浅草で、めいめい好きに楽しんでいる正月、その空気がひたすらに幸福だと感じる。
出て、仲見世を冷やかしつつ、ノリで東京スカイツリーまで歩く。ノリで来たので何も考えていなくて、どこもかしこも店は行列で、それなりに早く回転しそうな『えびそば一幻』で、「海老は縁起がいい」などと適当なことを言いながらラーメンをすすって締めた。
年末年始は積み本を崩すぞ、なんて意気込んでもいたりするわけだが、2日連続初詣で疲れたりもして、他にもやることはいろいろあるわけで、実際はそんなに読む時間をとれるわけでもなくて、今日マチ子の「わたしの#stayhome日記」シリーズを読みつつ、仕事の課題に向き合うための本をいくつかを読むぐらいで終わった。エルヴェル・テリエの『異常【アノマリー】』を読みたくて年末に買ったはずだが1ページも開いていないし、先月買った『ブルーピリオド』の新刊もまだ読めていない。あのマンガはなんだか、読むのに勇気と体力が要る。好きなんだけども。
あと、マンガは昨日がジャンプコミックス新刊の発売日で、『ふつうの軽音部 5』と『魔男のイチ 1』を今日読んだ。魔男のイチ、ジャンプ誌上で1話を読んではいたし、期待が強かったがまぁ〜〜〜面白い。それと映像作品だと『飯沼一家に謝罪します』を見たりしていたが、このあたりの話はまた今度。