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そのねこがうたうとき

物語偏愛者の詭弁と戯言

【ネタバレONLY】新しい物語とは言え、Qは紛れもなくエヴァの続編だった

以下、ネタバレしかない。




ネタバレは極力避けたくて、昨日の金曜ロードショーでの冒頭部分放送すら見ずに迎えた『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』初日。池袋のHUMAXで10:30回を見てきました。初回の8:00に間に合う気がしなくてね。結果としては、わりと混雑を避けられて良かったかなと。開始1時間前に行ったら物販すげーガラ空きでした。バルト9とか行こうと思ってる人は、4駅足を伸ばして池袋の方がいいかもよ。まぁバルト9の設備が好きだって言うなら停めないけど。

しかし、冒頭6分は見とかないで正解だった気が。初っ端からトップをねらえ!3』宇宙での戦闘シーンの上、アスカとマリの共闘とか劇場でいきなり見るからこそのインパクトってもんでしょう。あれなんで先行公開したんだろ……。やっぱ上げて落とすためかな。しかしマリがガンガン出てくるようになったのはいいけど、アスカのバックアップ的な役目しか負わないってのはなんだかね。コイツ何のための新キャラだったんや感がプンプンと……。いいんだけどさ。マリ→アスカが「姫」でアスカ→マリが「コネメガネ」っていう呼び合いはなんか萌えたし。冒頭のシーンが、彼女の鼻歌のおかげでポップな感じに仕上がったのは良い演出だったと思う。その後続け様にやっぱりトップっぽい……ってかナディア?戦艦っぽいコクピット出てくるわ、まさかのジェットさん大塚明夫さんがエヴァレギュラーメンバー入りだわ。加地さんとつながりあるみたいだけど、それってやっぱりスパイクのこと(ry) てな感じで、破に続いて新劇場版のアバンは興奮するというパターンになってきましたね。今回のアバンすげー長かったけど。そして新キャラ! 予告に出てた新キャラが!! まさかの!!! い、妹立派に育ちやがってえええええ!!! (ハァハァ) アレはヤバい。しかも声がみゆきちとかパーフェクトじゃないですか。てか最近みゆきち波に乗ってますねマジで。いろいろ出すぎじゃね? 大丈夫?

物語は、まさかの14年後。あの辺り、シンジ君と一緒に完全に置いてけぼり食らったわ。しかし歳食ったミサトさん良かったなぁ。あのいろいろ知っちゃって苦労しちゃった感じの顔つきいいねぇ。42歳には見えないけど。あと、冬月さんよく生きてたよね。そういえば作中でシンジが彼と直接話すの初めてじゃね? んでついにメインの座に付いたカヲル君だけど、ホモ成分あんなもんでいいんだっけ? いや十分濃厚だったと思うけどもうちょっとこう……ああいや、なんでもない。俺の感覚が壊れてきただけか。しかし複座式エヴァの噂はあったとはいえ、お前らが乗るとは思わなかったよ! いやーペアルックプラグスーツには吹いたわ。

これはアリなのか?

で、真面目に物語について。劇場用予告の中で「新たな物語が今始まる」と言ってた通り、もう旧作の面影はほっとんどなくて。意識的に台詞やシーンを被せて来ているところはいくつか見られたものの、物語としてはもう全くの新規であり、予想はつかないものだった。そういう意味で、いい意味で物語に振り回されたし、破を見たときとはまた違うドキドキ感を持って終始見ていられました。

しかし、旧作と全くの無関係ではなく。それどころか、これって破の続きであると同時に、旧作終了後にレギュラーメンバーが生きていたら?というifでもあるんじゃないのかと。まぁ単純に言っちゃって、旧作後とQとでは「サード・インパクト後の世界という共通点」があるわけで。そのトリガーが自らであることを自覚し、シンジが罪悪感に駆られたとしたらどうなるのか?というのがQだったのだと思う。破が旧作の流れをなぞりつつ、要所要所で違う方向へ舵を切ったら?(ex:3号機パイロットの件、エレベーターでアスカのビンタを止めるレイ、など)という話だったのに対し、今回は旧作のその先があったら?という意味で、紛れもなく「エヴァ」の続編。終盤、赤い大地でシンジにアスカが手を差し延べるあたりはまさにEOEラストシーンのオマージュなんだろうし、アスカやミサトたちの罵声が四方八方から飛んできて、シンジが精神的に追い詰められるシーンなんかもそうだろう。もっとも、旧作終了後のシンジと、Qのシンジが完全に重なるわけではない。でも「他人のいる世界」を選んだ彼と、「自らの力で願いを叶えられる世界」を選んだ彼とが、全く異なるものだとも言えない。

ただ、14年の経過という物語のプロットは少々乱暴にも思える。そもそも、破で予告を流した時からこのプロットは確定していたんだろうか? 当然細部は変更となったんだろうけど、それにしても破で流れた予告とQは別物過ぎる。というか、あの内容って語られなかった「14年」の中身そのものだよなぁ。Mark.6のドグマ投下とか、要塞都市の廃棄とか。加地さんにいたっちゃQに出てすらいないんだけど……。あの分だと死んでるかもなぁ、うん。なんというか、破までで得てきたものを「14年」を挟むことで無理やりかなぐり捨てて、意地を張ったように絶望的な方向へ物語をねじ曲げたように思えるのだ。破ラストの「ニア・サードインパクト」がQの予兆ではあったのだけど、それにしてもQの展開は破までの積み重ねが一気に無意味になり過ぎてやしないかと。もう、破までとQ以降は別物としかいいようがない。今回の主題歌で『Beautiful World』が採用されなかったのもそういう意味かもしれない。

そんでもってここからはちょっと難癖付ける感じになるのだが、なんか13号機とかシン・エヴァンゲリオンとか言われるとすげーパチもの臭さが………。8+2号機ってギャグか! これどっかで勝手に作られた二次創作だよって言われてもわりと疑わないぐらいに雑な箇所は多いと思った。構想をまとめ上げきれていない。真実の明かし方もあんな唐突に? しかも、それまで全く接点がなかった冬月先生から? TV版の『涙』あたりのプロットがあの将棋で消化されるとは思わなかったわ。13号機のドグマ投下からのカヲル「あ、やっぱこれ罠だわ!」→アスカ「お前ら何やってんだ!」→シンジ「なんでこんなことになってんだよ!」→カヲル「やっぱり君を幸せにできなかったわー。バイバイシンジ君!」→シンジ(沈黙)→アスカ「いつまでふさぎこんでんのよクソガキがぁ!」みたいな流れはわりとお約束であんまり興奮できなかったし。あ、でもアスカがミサトさんの役目を引き継いだんだなーって思うと、アスカがすげー魅力的に見えて来たりはしたけど。なんか、うーんなんかなぁ……。破が旧作からの変化を楽しめたのに対し、Qが別物過ぎて戸惑ってる、単に自分が老害化しているだけという気も。みなさんこれアリですか? ぶっちゃけたとこ。

ただ、あの胸糞悪い上に、クロニクルを紐解かなくては意味がわからないような「エヴァ」は間違いなく帰ってきてしまった。ネットを漁りまくって議論を続けなくては気が晴れないような嫌な映画だ(※褒め言葉)。破で見事なまでに獲得した、あの素晴らしきエンタメ路線のままで終わるはずもないとは思ったが、時の経過を挟むことでこんなにも大胆にひっくり返すとは。とりあえず、見終わって残テ歌えるような映画じゃねーよなこれ。スタオベすら無理だわ。無理。いや面白かったよ。いろいろ面白いし興奮もしたけど、なんかストンと腑に落ちてくれない気持ち悪い感じがする。

とりあえず衝動にまかせた、上映直後の興奮冷めやらぬ感想はこんなとこで。細かい考察とかその辺はまた後で。碇姓がユイではなくゲンドウのものになり、ユイの旧姓が綾波になった辺りとか、すげー気になるんだけど。あと次回作、仮名遣いが旧作のものに戻っちゃいましたね。んでタイトルの最後に書かれてる記号は演奏記号の「繰り返し」だよね……? なんか、嫌な予感がするんだが……。

(追記)

そうか、REVIVAL OF EVANGELIONから今年で14年経つのか…