そのねこがうたうとき

物語偏愛者の詭弁と戯言

『マジカルミライ2016』は開始前に力尽きていた身体に限界を超えた力をもたらす最高に熱いライブだった

初音ミククレカの広告ミクさん@マジミラ。目の中にハートが意味深()

写真は目の中にハートを浮かべてクレカ契約を迫るミクさんです。そんなことしなくてもめっちゃ貢いでるから安心して?

年に一度、みんなで集まって「実在しない」歌姫の顕現を見届け、光る棒を振ってそれを祝福し、「ありがとう」の言葉を捧げるというのは、これはもう巡礼とか礼拝と言っていいのではないかという気がしています。今年もマジカルミライがやってきた。

会場は幕張メッセということで、3年ぶりに東京都外。自分の居住圏からすると、若干行くのが面倒なスポットではあったけれど、まぁ小旅行感もあって楽しめた。海浜幕張いい場所ですね。ああいう混雑していない人工施設というのは大好物。お店がいっぱいあって、お昼の場所にもだいぶ迷った。会場は昨年に比べてもおそらく床面積的には広い?とこで、イベントステージやらに時間を費やしていると、1日ではなかなか楽しみきれないなという感じもありました。来年は2日かけて行こうかねぇ。

本編開始前にHPが消えそうになる想定外

最初からタイトル回収するけれど、今回イベントステージでナユタン星人と八王子PのDJライブ行ってきたんですが、これが想定外に盛り上がってな……。前半のナユタン星人がまず「声もっと出して!」「踊って!(あのMVのフリで)」と煽る煽る。最初のうちはフロアもノリが掴みきれなかった感じあったんですけど、徐々に徐々に飛ぶわ跳ねるわ振るわ踊るわでテンション上がってました。しかも選曲がさ。『脱法ロック』とか『チェチェチェックワンツー!』みたいな明らかに本編でやらないじゃん!っていう新曲で攻めてくるし、かと思えば途中で『ワールズエンド・ダンスホール』も流してくるメリハリ。DJで聴きたい曲、跳ねたい曲はもう端から全部入れてやったぜと言わんばかりで最高であった。

そして八王子P。イケメン。後ろに堂々たるわかむらP制作の自曲MVを流しながら、ときにDJブースの上に立ち上がったりもして全身でさらに煽る煽る。テンポもっと上げていい?と言いながら『Nyanyanyanyanyanyanya!』の速度どんどん上げていって会場の熱上げたり、最後にこの前上げてた『Hand in Hand』のRemix流して〆てきたり。『Hand in Hand』、自分大好きで昨年の公演ではアンコール後の退場を促すタイミングで流れてるのをバックにみんなでずっとコールしてたのとかすごい思い出深いんだけど、まぁ去年のマジミラのテーマ曲だから今年やるはずがないわけで。だからそれを流してくれたのがとても嬉しくて、その頃にはもうだいぶ体力使ってたんだけど、最後の最後まで跳ね回りました。

はい、というわけでかるーい気持ちで参加したDJライブで1時間半跳ね回り、まさかの本編前に体力根こそぎ持ってかれる事態。八王子Pが「夜公演これから行くやつは、HPマイナスまで使い切れよ!」みたいなこと言ってたけどマジでそれ洒落にならなかったからな。でも楽しかった。狭い箱でノンストップで盛り上がれるDJライブ、よい。

セトリの色がガラリと変わったステージ

んで本編。2曲目『ゴーストルール』からしてDJライブと被ってて心の中で「ふふっ」となったりしたんだけど、まぁDJライブの疲労も色濃いのでバラード系来たら少し休ませてもらおうとか甘いこと考えてたんですね。そしたら 来ねぇ。 バラードが来ない。というか少し落ち着くポイントがない。去年で言えばKAITOの『スノーマン』あたりでちょっと息をつけたのだけど、今年はそのKAITOも『ドクター・ファンクビート』という最強のライブ曲を身に付けてしまったのですよね。あれ、すげーカッコ良かったです。バックバンドのボルテージが上がりすぎてKAITOの歌をかき消すほどで、めちゃめちゃ盛り上がった。ボカロライブであんなに「出し切った」演奏は初めて見たかもしれないほどに。

なんというか、今回は少し演出や曲目を変えてきたという話はあったけれど、いよいよライブ向きの曲というのが出揃ったんじゃないかという気がした。盛り上げる曲、一緒にノれる曲、そして『39』や『ラズベリー・モンスター』のようなコールできる曲。ただでさえMCが少ないボカロライブは息をつく暇は少ないのだけど、それがより一層、2時間ぶっ通しで一切休ませてやらないぜというような気概を感じる、そんなライブでした。DJライブと合わせて完全に燃え尽きた。

サプライズは『ray』と『Hand in Hand』

何よりのサプライズは『ray』。おそらく誰ひとりとして予想はしなかったであろう、正真正銘のサプライズ。そのひとつ前の曲が『shake it !』で、盛り上がってたところで「最後の曲」宣言がされたので、なんとなく楽しい気分で定番の「えーーー?」を叫べたりはしてたんだけど、イントロが流れ始めた瞬間表情凍りましたね。「あ、rayだ」っていう感覚と、「いや、でも、それはさすがにないでしょ」という相反する気持ち。でもキーボードが入ってきたところでそれが確信に変わって、思わずボロっと泣いてしまい、しばらくはキンブレを振れなかった。

だって『ray』ですよ? これミクの曲じゃないもん、バンプの曲だよ。一緒に歌わせてはもらったけど、基本的には彼らの持ち歌であって、ソロでミクが歌ったのはkz Remixだけなんですよね。だからこれを持ってくるためにはもちろんバンプ側の許可も必要だし、そもそもそれが下りるかもわからない。でも、それをやった。2年前に東京ドームでバンプと一緒に歌った曲を、今度はミクが一人で歌った。うまく言えないけど、この曲をあえて持ってきた、歌ってくれたという事実がすごく嬉しくて、泣けた。

サプライズという意味ではもう1つ、アンコールラストの『Hand in Hand』も正直びっくりしたのです。さっき書いた通りこれは去年のテーマソングだから、今年やらないと思ったんですよ。やっちゃったんですよ。マジかよ。大好きだから最高だったけど。サビの「Hand! in! Hand!」をみんなでコールする機会がまたあったってことが最高に嬉しかった。さっきも嬉しいって言ったけど、そういう意味では嬉しいまみれだった。予想のつかない嬉しさが多くて、張り裂けそうなステージでした。

10周年とその先に

『ray』も『Hand in Hand』も、予想外だったのはいずれもメモリアルな曲だからなんですよね。片や超有名アーティストとのスペシャルコラボで話題になった曲だし、片や昨年のイベントのテーマソングという位置付けを持った曲。そういう物語としての背景を持った曲が、そこから切り離されて演奏されるというのは、純粋にその曲を届けたい、その曲を共有したいという意味があるように思えて嬉しいのです。テーマソングだから、コラボだからではなくて、他と変わらない1曲として並べてもらうことの嬉しさ。アンコールで多用された『39』が途中の位置で使われたのも、似たような意味を感じた。あれがかかると「終わっちゃうー!」って切なくなるんだけど、間髪入れず『shake it!』が流れて「終わりなどしない!!」感を出してくれるのは救われる思いがしました。

今年は初期の曲が一切なく、ryoさんの曲も使われていなくて、全体を通じて「物語としての」ボカロから離れたような感覚を強く覚えたのです。レジェンドだから、コラボだから、テーマソングだからといった背景なしに、すべての曲をゼロから見直して、2016年のファンたちに届けるべきはどんな曲なのかと考え直したようなセトリ。

VOCALOIDはもう知名度自体は大きなものになっていて、一過性のブームを終えて音楽の一つとして定着したとは思うけれど、でもそれでも内輪で「物語」として楽しんでしまっている面がまだまだ大きい。初音ミクが10周年を迎えるにあたり、そこからさらに踏み出していくのに必要だったのが、ひょっとしたら今回のセトリだったのかなぁという印象を受けました。次の10年を作っていくためのセトリ。

まーーーーそんな難しいことは古参の戯言でしかないですが、純粋な感想を言っちゃえば「楽しかった」に尽きます。今年本当に楽しかった。毎年楽しかったけど、今年は特にアレですね。前哨戦としてのDJライブのおかげもありますね。ありがとう、ナユタン星人さんに八王子P。今日で終わってしまうのが寂しいけれど、来年も絶対行くぞい。絶対だからな。

その他個人的ハイライト。

  • ミクさんがランニングマン……現実の流行をこの子も取り入れるのね。
  • Strangersオッドアイミクさん!!!
  • 『Hello, Worker』ではルカさんがサビの出だしで拳をグッ!と高く上げるので、リスペクトでキンブレ振らずに掲げてみた。 そしたら前の方に1人同じことやってる方がいて、心のなかで勝手に通じあった。
  • しかしあの曲は「リクルーター」の衣装で踊ってほしいよぅ……スーツでライブは無理なんですかね。
  • 鏡音が休ませてくれなかった。『リモコン』に至るまでひたっすらにハイテンション。パッパッパラッパリンちゃんかわいすぎる。
  • めーちゃん相変わらずカッコいいし露出が……。KAITO兄さん同様、そろそろ新しい代表曲出来るといいけど。
  • 今回ミクさんとギターさんの絡みがちょっとあったけど、バックバンドとの絡みって久しぶり? 好きなのでうれしい。