年末年始と、Adoと、東京は夜。

Image from Gyazo

タイトルに反して31日は横浜にいた。「ヨルノヨ」というライトアップイベントをやっていて、大晦日は深夜24時まで30分おきにみなとみらい全体がビカビカ光るので面白かった。横浜は夜。

年末のテレビというものは別に絶対見たい、というわけではないし、何かしら予定があって外に出ていれば見なかったりもするが、家にいるとつい見てしまうし、つい見るときは結局のところいつも紅白を見ている。それは幼い頃の家族の習慣の名残でもあるが、特別感、祝祭感がなんとなく欲しい自分がいる。そういうときに選ぶのは普段のバラエティ番組の延長、みたいな特番とか、Netflixで流す映画とかではなくて、歌や音楽というのが自分にとってはわかりやすい「祝祭」なのかもしれない。だから年越しの瞬間は、わりとジルベスターを見ている。

一方でレコ大を見ていることはあまりないのだが、大晦日と比べて30日という日は自分のなかでそこまで祝祭でもないということかもしれない。でも今年はたまたま見ていて、だから2日連続でAdo『唱』を聴き、YOASOBI『アイドル』を聴く年末だった。Mrs. GREEN APPLEやキタニタツヤも2日連続だったけれど時間が合わなかったりして、五条と夏油の紅白デビューは見れなかった。五条と夏油の紅白デビューってなんだよ。別に僕が言い始めたんじゃなくて オリコンが言っていた んだけど、言い回しが面白くてちょっとツボに入っている。

www.youtube.com

『アイドル』が、NHKっぽいわちゃわちゃとした茶番感、を突き抜ける何かになっていてなんかすごかったね、となってとても話題になっていたけれど、自分はそれ以上に煌びやかに光る東本願寺、というものが目に焼き付いてしまった。amazarashiが大仏にプロジェクションマッピングしながら歌ったりしたのは僕も配信で見ていたけど、こういう日本的なレガシーなものと現代的なライトアップ、音楽の融合、みたいなものに魅せられるものがある。

Adoは出たての頃、それほど興味を持てなくて、というか出たてどころか「ウタ」のあれこれのときにも聴いてはいなかったぐらいで、明確に意識して聴いたのは平田義久『東京は夜』をカバーしたときが初めてだった。この動画が投稿されたのは『FILM RED』よりほんの少しだけ後だった。

www.youtube.com

ちょうど自分が平田義久を聴き始めた直後、彼の曲のなかでも『東京は夜』が一番好きでヘビロテしている、ぐらいの偶然にもどんぴしゃなタイミングで目を引いた。ただただ上手いな、という感想だった。Aメロからサビへの盛り上げ方とか、がなることができない初音ミクと、サビのユニゾンで良い具合に好対照な歌声が重なるところとか。選曲もいい。メロウな雰囲気から、爆発感のあるサビという緩急は、彼女の声や歌い方にすごく合っている。

それからというもの、オリジナルよりも「歌ってみた」をいくらか漁って聴いている。というのも、聴く度に発見があって楽しかったというのが大きかった。歌い方の引き出しが、自分が思っていたより全然多い。彼女のメジャーな楽曲からは、がなるような歌い方や、奥行きのある歌声でのびやかに歌い上げたりする印象を強く感じるが、それだけじゃなくて、曲に応じてこんなにも様々な声や表情が出せるのか、ということに「歌ってみた」でいろんな今日を聴いていると驚く。一番驚いたのは『ダーリンダンス』だった。出だし、誰だよ、っていう。

www.youtube.com

おまけに『ダーリンダンス』はライブでも歌ったと聴いた。ありなんだ、ってびっくりした。いやそりゃカバーを歌うってのは他のアーティストでもあるだろうけど、この曲は別にCDとかでリリースしているわけでもないのに。Adoはたびたび、「歌ってみた」動画の投稿者を指す「歌い手」という言葉を遣い、自分は歌い手でありたいと言っていると聞くが、それは単に動画の投稿もやっていきますよというだけではなくて、ライブでもそうなんだ、というのは、彼女のスタンスがすごくよくわかる気がした。オリジナルでも「歌ってみた」でも、投稿するときは必ず ニコニコ動画にも上げる というあたりも、スタンスとしてわかりやすい感じがする。

いろいろ好きだけれど、個人的には『唱』『踊』といったGiga × TiddyLoidの楽曲が一番彼女の個性にハマる気がしている。「忙しい」曲を器用に歌い上げるのを聴きたいのかもしれない。あとはカッコいい曲がいい。最近だと『カルチャ』もよかった。

www.youtube.com