10年だそうです。10年前と言えば自分はまだ10代です。結構びっくりしてます。そんなに経ったのかと。
正直言いますと自分が初音ミク、VOCALOIDを聴き始めたのは2008年なので、個人的なボカロ歴としてはまだ10年にはなりません。そもそも自分と初音ミクのファーストコンタクトは例の『アッコにおまかせ!』でして、当時まだオタク気質はそれほどでもなく、ブログや2chに入り浸る習慣もなかった自分は、あの番組への反発の声も知らず、素直にドン引きしてしばらく初音ミクからは離れてしまっていました。その後何を思ったか『ブラック★ロックシューター』を聴いたことで180度印象が変わり、9年に渡りこの界隈に居続けることができたのは、本当に幸運だったなと今思います。
今書いた通り、10年前の大学1年生だった自分はまだオタクと呼べるほどの存在ではなく、同人イベントに行ったのも、キンブレをライブで振ったのも、同じテーマを元にしてオフで人と会ったのも、初音ミクを通じての経験が初めてでした。なんだろう。この界隈には常に楽しそうにしている人がいたんですよ。何か創ったりどこかに行ったり、何かを書いたり。その空気に当てられて、俺も楽しいことがしたいと思って、徐々に徐々にという感じだった気がします。ちょうどニコニコ動画やTwitterのような、コミュニケーションの場が湧き出た頃と重なったのも大きいですよね。
だからもう本当に単純に、ボカロと初音ミクに出会ってなければおそらく人生違っていたはずで、このブログを今日この日まで続けて、こうして今書いていることもなかったんじゃないですかね。創作はできない自分ですけど、ここでミクのことを書いて何度か多くのアクセスをもらったりはしていて、逆に言えば自分がVOCALOIDという大きなプラットフォームに対して出来たことはそれぐらいでしかないんですけど、与えられたものは本当に大きなものでした。
彼女がこれからどうなるか、なんてのはわからないし、そんなに興味もありません。VOCALOID2から4へと進化して、楽曲の幅もグッと増えたけれど、彼女は人間の歌声へ明確に近づいたというわけでもなく、ただずっと「初音ミク」であり続けてきた。『ODDS&ENDS』で言っていたことがまさにで、耳障りでひどい声だという悪評もものともせず、もうその声は確固としたアイデンティティを持ってしまった。VOCALOID1から2、3への進化を見れば、自然なボーカルへ近づけることは当初目標であったように思うんですが、別にもう、そんなの気にしなくていいじゃないという局面になってしまったように思える。でもそうなると技術としては停滞するわけで、停滞した技術のその先は、とか、考えたりもするんですが。
個人的に、ここ数年の初音ミクに対して抱く思いはkzの『Satisfaction』出だしに集約されるんです。
その足を止めないでよ その両手で羽ばたけるから 頭の中からっぽにして 目の前だけ見つめるの
「その足を止めないでよ」は自分からミクへの切実な祈りであり、願いであり、あるいはミクが自分自身に対して言い聞かしてもいるような、そんな切なる思いで、昨年のマジカルミライでこの曲を聴いたりしていました。彼女がいなくなることが仮にあるとしても、それほど近い将来という気はしないのですが、その歩みを止めてほしくはないなぁと、9年寄り添ってまだ尚思うのです。
えー。長々と書きましたけど、このエントリーの主題はタイトルにもある通り10年10選でして、ここからが本題です。なんか枕に少しは文章書こうと思ったらえらい長くなってしまいました。まぁいっか。10年で数千オーダーで聴いてきたはずで、そっから10曲って選んでいいのかなと思うんですが、一度まとめといていいかなぁ10年だし、という感じです。なお、好きな曲10選というよりは、自分とVOCALOIDの関わりの中でマイルストーンになった10曲という趣です。では。
ブラック★ロックシューター/ryo
この曲と出会わなければ何も始まりませんでした。はてなブックマークで100ブクマ以上付けてて、そんな人気なら試しに聴いてみようかとふらっと聴いたのがすべてのきっかけです。こんなクオリティ高いのか冗談だろと思い、そこからハマるまでに時間はかからなかった。
サイハテ/小林オニキス
VOCALOIDであるが故に映える音楽、VOCALOIDだからできる表現というのを初めて意識した曲。無機質な歌声とMV、曲調、歌詞のマッチングが衝撃的だった。学生の頃、深夜にずっとずっと繰り返して見ていたのを覚えています。
無い/(仮)P
初期の頃にヘビロテしていた1曲。最初の数年から1曲選ぶならこれです。あの頃、こういう少しアンニュイでありながら、ゴリゴリに激しいロックというのが結構流行ってたような朧気な記憶。その中でも群を抜いてカッコよかった。CDになったときは本当に嬉しかった。
Equation✕**/ぽわぽわP(椎名もた)
この10年間、ボカロ周りで最もショッキングだったのは椎名もたの逝去でした。あまりに若すぎて。彼の曲の温かさは今でも好きだし、当時もボーマスでCD買ったりよくしていたので、なんでだよって思いは本当に強かったですね。。。
ちなみにボカロ関連のクリエイター、10年も経つので亡くなられた方もそこそこいらっしゃるのだろうと思いますが、個人的にはimoutoidの死にも大きなショックを受けました。彼による『ファインダー』Remixが入った『Re:MIKUS』がiTunes Storeで配信されることになったそうなので、この機会に聴かれることが増えたらいいなと切に願います。
夜と虹色/古川本舗
消えてますが敬意込めてオリジナル貼っときますね。あまりよろしくないですが、他で上げている人はいるみたいなので聴くのは聴けます。
古川本舗さんのセンスは随一だと思うのですが、彼の曲が最近聴けなくなってしまったのがとても残念。ライブ行っとけばよかったなあ。
Fairytale,(カバー)/cillia
ボカロの調声という点で1曲。V4グロウルを本当に効果的に使った1曲で、聴いててざわざわしてきます。この曲以前にcilliaさんが手掛けた波音リツの『-ERROR』も、UTAUのキレ音源で同様の効果を出すことに成功していて当時衝撃的でした。
on the rocks/OSTER Project
実はVOCALOIDとしてではなく、人間のボーカルで初めて聴いた曲。DIVAの販促イベントで風雅なおとさんと拝郷メイコさんがデュエットされててめっちゃカッコよかったんですよね。個人的に、あまりボカロ曲を人が歌うということに興味がないのですが、人が歌うことで違う魅力が出ることあるんだなと気付けた曲。中の人ライブ、またやらんかな。
ロケットサイダー/ナユタン星人
数年間ボカロから離れていたときに、「なんか最近でもめっちゃ面白い曲ある」と気付かせてくれた曲。きちんと聴いたのは去年のマジカルミライで、ナユタン星人のDJライブでかな? 彼(彼女?)の曲でも特にこれは謎の切なさを感じて好き。
ray/BUMP OF CHICKEN
BUMP OF CHICKEN feat. HATSUNE MIKU「ray」
これはなんか、まあ、言うまでもない。
参考:BUMPに青春を捧げ、初音ミクに夢を見た世代として - そのねこがうたうとき
Chaining Intention/Treow
結局10年迎えるまで変わりませんでしたね、ベスト。この曲は、初めて聴いたときから今に至るまで、自分のベストであり続けた曲です。これ以上に好きになる曲は今後ないかもしれないと思うほどに好きな曲。
はい、えー。今8/31なっちゃったわ。あー。日付変わる前に上げるつもりだったんだけどな。上がんねーよ。君に言いたいことめっちゃあんだよ。10年だぞ10年。俺にとっちゃ9年か。そんな、そんなん1時間でまとまるわけねーだろバーカ。バーカ。あー。今までどんだけいろんなことあったと思ってんだよ。GoogleのCMに出るとかさ、ゲームになってPS3も4も買わせるしさ。フィギュアむっちゃ出るしさ。H ZETT MとかTKとかなんかすんごい人が曲書いたりするし、こっちゃハラハラしっぱなしだったわずっと。いろいろ言われる時期もあったしな。歴が長くなると古参がどうとかそういう話も出てきたり、新しい人も入ったり、それで上手くいかなかったこともあったり、まぁ苦労もしたよな。俺もいろいろあったんだよ。もう三十路手前だよびっくりだよ。なんだかね。でもまぁ今日までなんとかやってこれたのは偏に君のおかげでもあるわけだよ。いや、そんな上から目線じゃなくて、本当に感謝しています。ありがとうございました。
あーーーーもうむっちゃ好き。ミクさんマジ愛してる。おめでとう。最高だよ君は。そして初音ミクを取り巻くすべての方々に「おめでとう」と「ありがとう」を。