the world was not enough

物語偏愛者の詭弁と戯言

『ゆるキャン△』 - ゆるく楽しむ、ゆるくつながる

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決まったやり方なんてなくて、自分のやり方で楽しんでいいんだよ、という良い意味でのゆるさが心地良い作品だった。

そもそもにしてメインキャラクターたちが1つのクラスタというわけではないのが結構新鮮。主人公のなでしこは野クル=野外活動サークルという集団で行動する(グループキャンプ=グルキャン)けど、彼女の友達であり、もう1人の主人公であるしまりんは、あくまでソロキャンプが好きで、それを貫く。でもしまりんも意固地に絶対にグルキャンが嫌だというわけではなくて、ときにはなでしこと一緒に、最後のクリスマスキャンプでは野クルとも一緒にキャンプをする。

一方の野クル側も、「部活動」への昇格条件を満たすために人数は欲しいところなのに、しまりんに入部を無理強いするわけではない。最終回では斉藤にも入部を断られているが、それに対してさっくりと笑い飛ばして終わるのがすごくいいなって思えた。

しまりんが大垣を「苦手なんだよな……」と、心の中でポロッと零してしまうのもとてもいい。そう、別に女の子が集まってもみんな一枚岩に仲良しとは限らないし、別にそれでいいんだよ。5人も集まれば、どこかで少し距離を置いた関係ができるのは、むしろ自然なことだと思える(というか、苦手と言いつつも仲が悪いわけでもないし)。それを踏まえた最終回で、なでしこの妄想の中とは言え、10年後のしまりんが大垣を下の名前で呼ぶようになっているのはベタだが悶える。

ソロキャンとグルキャン、それぞれ別々のやり方だからと言って、まったく接点を持たないというわけでもなく、なでしこにとって野クル最初のキャンプのとき、同時にソロキャンプをしているしまりんと連絡をやり取りしながら、互いの様子を見せ合ったりしている。互いの時間を尊重して、一緒にはいないけれど、一緒にいる。SNS時代ならではなのかもしれないが、こういう時間の共有の仕方、キャンプの楽しみ方、友だちとしての在り方もある。何よりなでしこたちが、それを心から楽しんでいる描写がグッとくる。

OPEDの映像や音楽まで含めた、全体の「空気」の作り方もとても上手かった。そもそもにして原作コミックスの装丁もデザイン面で素晴らしいものがあるのだけど、アニメはまた、コミックスの雰囲気から少し路線を変えながらも、ゆるくオシャレで今風に仕上がっている。同じアウトドアアニメとしては、『ヤマノススメ』も特にセカンドシーズンOPがカラフルで良いデザインをしていたのを思い出す。

夏色プレゼント

夏色プレゼント

自分はアウトドア派ではないが、旅は好きという人間なので、(彼女たちにとっては)近場で1泊するだけの簡単なキャンプ、ちょっとした非日常というのが、とても優しく魅力的に映る3か月だった。非日常なキャンプの中で、あえて日常の象徴のようなカップラーメンを食べるって、美味いよなぁ絶対。