今月はあんまり余裕がなくて停滞気味でした。COMITIAと文フリに行きたかったのに断念してしまったけど、行けばよかったなぁという後悔。神田古本まつりには行ったけど。
仮面ライダーオーズ
仮面ライダージオウのオーズ回。改変された世界で仮面ライダーオーズこと火野映司が国会議員として登場するというのが、ファンの間ではかなりインパクトのある話題だったようで、当時自 TL がだいぶ騒然としていた。それで興味を持って40話ぐらいまで見た。ちょうどアンク(右腕)が消失するところ。平成仮面ライダーは見たいのがいくつかある*1ものの、4クールはしんどそうだと敬遠していたが、ハマると案外進むものだなと。そして何故あれほど騒然としていたのかは、徐々にわかってきた。
名作。確かに名作。感想はすべて見終えたあとで改めて書くつもりだが、火野映司というキャラクターの奥深さと、映司とアンクの関係性に唸らされる。特に映司のそれについては、子どもは絶対ついてこれないだろうなという捻られたキャラ造形。今のところ最高だったのは第20話のタジャドル登場回で、お互い相容れないし信頼しているわけでもないけど、でもヤミーを倒すためならアイツは絶対に来る、そういうやつだと互いに理解していて信じているのが本当に最高。アンク総受けがあったら私、買います!とか安易なことを口走りそうになるぐらい。BL的に落とし込まれうる関係性って、当の男も結構好物だったりすると思うんですよ。
平野耕太『ドリフターズ (6)』

- 作者: 平野耕太
- 出版社/メーカー: 少年画報社
- 発売日: 2018/11/30
- メディア: コミック
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2年ぶりの新刊。とても個人的な意見を言わせてもらうと、世の中『HUNTER×HUNTER』の刊行ペースぐらいでちょっと騒ぎすぎなのだ。アレより待たされるマンガなんて山のようにあるだろう。『HUNTER』についてはもはや半分ネタ化しているようにも思うが、逆にそれ故に冨樫が少し気の毒にも思えてきている。
閑話休題。今回のドリフは驚くぐらい面白かった。平野耕太の本領発揮、面目躍如、これだ、これが読みたかったんだ、いいぞもっとやれ。今年これほどアドレナリンが出た1冊はなかったかもしれない。豊久が終盤あの行動を開始したところで出てくる、「あの見開き」には滾った。そう来るかと。
今日発売のところで詳細なネタバレは避けておく*2が、今回は『HELLSING』にも通ずる、平野らしい哲学が全体を貫いている。『ドリフターズ』は「平野版聖杯戦争」とも言われることがあるが、しかし Fate と確実に異なるのはこの1点。漂流者にせよ廃棄物にせよ、彼らは断じて Servant ではないし、そこに Fate は存在しないのだ。「思考を自動化するな!!魂を自動化するな!!」とは、名言にも程があるでしょう。彼らは血の通った人間であり、故にこの戦争は面白い。
米澤穂信『さよなら妖精』

- 作者: 米澤穂信
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2006/06/10
- メディア: 文庫
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先日『犬はどこだ』を読んだ際に、同じ米澤作品としてTwitterでオススメされた1冊。まだ3分の1ぐらいを読んだところなので全体が見えないのだが、『犬はどこだ』がそれなりにミステリーらしさを序盤から醸していたのに比べ、本作は今のところそういった雰囲気が見えず、話の軸と言えるような太いものもなくて若干迷子気味。とはいえ退屈なわけではなくて、ユーゴスラビアからやってきた少女とのボーイ・ミーツ・ガールにより、高校生が初めて味わう外界。初めて味わう摩擦。初めて味わう外から見た自分たち。その1つ1つはとても小さな発見なのだが、それを丁寧に拾い上げて描いていくのが米澤らしいなぁと思わせる。
imie『Drop feat. 初音ミク』
今月の1曲。
VOCALOID と人間ボーカルのデュエット曲は今や珍しくもないが、際立って機械的な高音が印象強い初音ミクとのデュエットはなかなかに聴かせるのが難しい。処女作にしてこれほどの調整ができるのは舌を巻く。曲自体も極めて心地よく、ずっとループして聴いていられそう。